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◆ ジャスティン・ティンバーレイク / JUSTIFIED (02)とマイケル・ジャクソン [フォロワー、カバー]

                                                                 ORIGINAL 2011.10.15Up
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 SADE、Princeという孤高のアーティストの両方のRemixを手がけたという事で一気に注目したThe Neptunes(ファレル・ウィリアムス&チャド・ヒューゴのプロデューサーチーム)。彼らが手がけたお気に入りのアルバムが、ジャスティン・ティンバーレイクの02年のソロデビューアルバムの『JUSTIFIED』です。

 2000年代に入ると、R&Bシーンにおいても以前のようなときめくアルバムの出会いが減っていきます。それはおれの年齢による感性の劣化なのか?シーンのクオリティーが落ちたのか!?理由はわかりませんが、なかなかいい作品に出会わなくなったのは事実です。そんな中、久々にときめいたアルバムがこの作品でした。
 このアルバムで、ネプチューンズがMy Fav Producerの仲間入りとなりました。さらにTimbalandも参加し、シーンの最前線を突っ走る2トップ的なProducerが集う事になります。そしてジャスティンもよいのです。こんな才能のある奴とは知らなかった。


 ジャスティンは、インシンク(NSync)のリードVocal程度の認識でした。00年にビックヒットしたインシンクの2ndアルバム『No Strings』は購入していましたが、インシンク目当てではなく、テディー・ライリー(自身が制作したNew Jack Swingの代表格のような曲→ジョニー・ケンプのJust Got Paidをカバー)とBabyfaceが参加したアルバムという事ででした。
 このアルバムは見事全米1位。初回セールスが240万枚越えという記録もうむ。アルバムも1千万枚越えのセールスを記録。シングルの「Bye Bye Bye」はレコード・オブ・ザ・イヤーにノミネート。いい作品だとは思いました。がジャスティンの印象が強烈に残ったわけでもありませんでした。

ノー・ストリングス

ノー・ストリングス

  • アーティスト: ダイアン・ウォーレン,ケビン・アンチューンズ,ロビン・ウィリー,クリスチャン・ランディン,ケネス”ベイビーフェイス”エドモンズ,マックス・マーティン,テディ・ライリー,ケビン・ブリッグス,リチャード・マークス
  • 出版社/メーカー: ゾンバ・レコーズ・ジャパン
  • 発売日: 2000/10/25
  • メディア: CD

 ソロデビューを切望されていたジャスティンでしたが、ここまでアーティスティック、さらにR&B的なアプローチをするアルバムを発表するとは思わなかった。ちょっとお坊ちゃまぽかった顔つきも男らしくなってるし。
 ジャスティンといえば、マイケル・ジャクソンを敬愛し、インシンクもマイケルの30周年記念ライブにも呼ばれ「ダンシング・マシーン」の共演もした。マイケルが主導した「What More Can I Give」プロジェクトにも招かれていました。
 白人によるR&Bという事で、ブルー・アイド・ソウルと言い方もされますが、久々にその感触も感じたアルバム。ジョージ・マイケル以来です。ただジョージまでの深さとソウルさは感じませんが、器用でうまいVocalだと思います。そしてまだ進化を感じます。ジャスティンは、ボーカルだけでなく、音楽的才能も豊か。曲も書き、プロデュースもする。そんな才能も凝縮された1枚だと思います。見事に『JUSTIFIED』グラミーにおいても最優秀POPアルバムを受賞。
 
 さらに注目なのは、トッププロデューサーとしてシーンに認知されてきたファレルとチャドのネプチューンズがメインプロデューサーとして参加している事です。ヒップホップ系のアプローチをしてきた彼らですが、この『Justified』はR&B作品として作られている。ネプチューンズは、01年にビルボードにおいてNo1プロデューサーに輝いています。この頃、『Invincible』の製作に全力を注いでいたマイケル・ジャクソンからも曲の提供を求められるのです。マイケルからも認められたCreaterとなるのです。ファレルが最初に買ったレコードが『スリラー』といいますから、彼も信じられない依頼だった事でしょう。
 そんな彼らが自信をもってMJに提供したのが、「Senorita」「Like I Love You」「Take It From Here」「Nothin’ Else」「Last Night」「Let’s Take A Ride」の6曲らしい。声をかけられたというの記事は見たことがあるのですが、具体的な曲は知りませんでした。
 ネプチューンズらしいビートとシンセアレンジを感じる斬新な曲です。このサウンドはネプチューンズ印です。しかし、すべて落選。ロドニー・ジャーキンスの曲がメインとなりアルバム『Invincible』は完成されます。全曲採用は難しいかもしれませんが、ビート系として「Like I Love You」「Last Night」「Let’s Take A Ride」はMJのボーカルで聞いてみたかった。
 
 『Justified』からの1stシングルはMJが採用しなかった「「Like I Love You」、全米11位のヒットとなります。イントロがスパニッシュなギターで始まり、ネプ得意のドラムスとリズム・アレンジ。「Let's Take A Ride」も彼らならではのビート。「Last Night」は出だしと終盤のイメージが変わる。終盤のフィリーっぽいRomanticさはなんかMJにあいそうなのに。
 特にスローでは(以前にも紹介した超好きな)「Take It From Here」が最高すぎる。満月で照らされる湖畔で聞いたらピッタリのすごくSweetでRomanticなバラード。この曲もMJのVocalで聞いてみたかった。こんなバラードも書けるという事を知ってネプチューンズの才能にほれた。(この感じは、グウェン・ステファニーともしてる)この曲を聞きながら、今でもマイケルのヴォーカルもイメージしています。
 3rdの「Rock Your Body」はMJに提示された曲ではないですが、PYTの爽やかさを感じる曲。4th「Senorita」が27位。
 
 そしてもう一人のトップCreativeプロデューサー、ティンバランドも素晴らしい。
 彼が出たての頃は、その変則的なビート&リズムを変態的までと表現されました。そのリズムは斬新でしたが消化しにくい面もありました。がこのビートは、Teddy Rileyがシーンにインパクトを起こしたニュージャックスウィング以来のビート革命だったと思います。
 このアルバムからも2ndシングルの「Cry Me A River」がティンバランドのProduceで全米3位になります。(グラミーの男性ポップボーカルでも受賞)ティンバが手がけた他の3曲もTimba印のBeatで超Creativeです。ジャスティンもこれらの歌を見事に消化しています。「Take Me Now」では、後にジャスティンと乳出し事件を演出するジャネットがVocalで参加しています。
 私がティンバランドを意識したのは、今はなきアリーやの96年の2nd『One In A Million』でです。この作品もエポックメイキングな1枚だと思います。ティンバランドのビートは、日本でもチキチキと呼ばれていました。ただかなりデジタル色、プログラミング色が強いし、かなりSlowで踊るのには不向き。でもこんな変則ビートはこれまでなかった。一時期、シーンはチキチキビートに席巻されます。ただそのティンバランドも、その後スランプに陥り一時期停滞した時期もあったようですが、これまたジャスティンの2nd『FutureSex/LoveSounds』(06)で復活。3曲連続のNo1シングルを生み、その後もヒットを連発。このアルバムからは6曲のTop40ヒットが生まれます。(MJの『Dangerous』以来の記録らしい)

フューチャー・セックス/ラヴ・サウンズ~デラックス・エディション(DVD付)

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2007/12/19
  • メディア: CD

 復活したティンバは、自らのビートをNextレベルにもっていった感じで、曲もキャッチーになり、さらにフロアでもいけるビートに変貌しているのです。そんなティンバは、MJから声をかけられなかったかどうかは未確認ですが、『インビンシブル』収録の、ロドニー作の「Heartbreaker」はまさにティンバのチキチキビート。最初、TimbalandのProduceかと思いましたもん。以前、マイケルはティンバBeatをどう歌うのかと思ったことがあったので、これはうれしかった。ただこの曲が世に出たのは00年。既にこのビートは時代遅れになっていた。
 
 そういうわけで、ネプチューンズとティンバランドという最強Beat系プロデューサーが参加し、ポップな仕上がりにしているのも素晴らしいのがジャスティンの『JUSTIFIED』なのです。マイケル・ジャクソンがファレル達の曲を採用していたら、『Invincible』はまたちがったカラーになってたでしょう。個人的には、ロドニーとNeptunesをメインにして製作したら、かなりすごいアルバムになっていた。テディーの曲より、ネプチューンズの曲を採用すべきだったと思う。といってもロドニーもネプチューンズも師匠はテディーだからなー。
 ただMJが採用しなかった曲で、ネプチューンズはジャスティンを手がけ見事にヒットもします、このアルバムが、ネプチューンズの04年度のグラミーにおける最優秀プロデューサー獲得に貢献したのは間違いない。
 
 ネプチューンズとティンバは元々同じチームで曲つくりをしていたそうで、今でも仲間のようです。インタビューで、ティンバランドはファレルにライバル心持っていることを普通に答えていますが、「あいつはすごい」と認めているとこもいい。
 そんな彼らが再び集ったのが08年のマドンナの『Hard Candy』。このアルバムもめちゃいい。おれ的には近年まれに見る名盤。

ハード・キャンディー

ハード・キャンディー

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Music Japan =music=
  • 発売日: 2008/04/30
  • メディア: CD

 このアルバムの先行シングルTimbalandとジャスティンが参加した「4 Minutes」(全米3位)もキャッチーなティンバBeatとジャスティンのVocalもいい感じで、熟女と呼ばれる年齢になったマドンナも全然いけてる。ファレル達の作品も、ファレルが自分はパーカショニストだと言っているように、Beat、リズム・アレンジが素晴らしい。シンプルなんだけど、それがまた斬新でかっこいい。マドンナも「ファレルはコップをたたいたり、なんでもビートに仕上げてしまう」って言ってた。
 そんなわけでジャスティン・ティンバーレイクの『JUSTIFIED』でした。

JUSTIFIED

JUSTIFIED

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ZOMBA
  • 発売日: 2008/11/21
  • メディア: CD


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