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楽曲・アルバムレビュー(ジャクソンズ名義) ブログトップ
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◆ All I Do Is Think Of You / Jackson 5  ジャクソンファイブ時代の最後のシングル マイケルとジャーメインが歌う切ないLove バラード [楽曲・アルバムレビュー(ジャクソンズ名義)]


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 この「All I Do Is Think Of You」は、1975年11月にリリースされたジャクソンファイブとしての最後のシングル曲となっています。(75年6月リリースの「Forever Came Today」と両A面シングルになっている模様)チャート的にはR&Bで50位、POPチャートではランクインしていません。モータウンレコードの最後のアルバムとなった『Moving Violation』からのシングル曲です。後にジャクソンファイブのベスト盤等にも収録されています。(私も初聞きはジャクソン5のBest盤でした)

Moving Violation (Rstr)

Moving Violation (Rstr)

  • アーティスト: Jackson 5
  • 出版社/メーカー: Motown
  • 発売日: 2010/01/05
  • メディア: CD

  チャート的にはふるいませんでしたが、個人的にはこのバラード「Think Of You」はジャクソンファイブ時代の中で最も好きなバラードです。
 1969年、モータウンレコードで「I Want You Back」でデビューしたジャクソンファイブ、リードをとるマイケルは11歳でしたが、天才的なボーカルでした。人によっては、この頃のマイケルのボーカルが一番すごいと評する人もいる。そんな中、モータウンで多くの楽曲を歌いヒット曲を生み出しながら、マイケルも少年から青年へと成長していきます。
 この
『Moving Violation』期ではマイケルは17歳になっており、苦しんだ声変わりも終え、少年マイケルの歌声ではなく、ジャクソンズ期、ヒット曲をだしまくる80年代のマイケルのボーカルを感じる事ができます。そのマイケルが歌うラブソングなのです。
 さらに注目したいのが、ジャクソンファイブのもう一人のボーカリスト・ジャーメインの歌声です。このアルバムは、ジャーメインにとってもジャクソンファイブとしての最後のアルバムとなります。この後、ジャーメインを残して、他の兄弟達はギャランティーのアップと制作権を得るためにEpicレコードへ移籍することになるからです。ジャクソンファイブ時代は、リードボーカルはマイケルとジャーメインが中心になっていました。この時期は2人のボーカルの絡みはたくさん聞けるのですが、マイケルのボーカルはまだ少年のそれなのです。
 そういう意味で大人となり成熟した2人のボーカルでの共演は、1984年、ジャクソンズとしての『Victory』期の「トーチャー」。そして同年のジャーメインのソロアルバムでの「Tell Me I'm Not Dreamin'」の2曲しかありません。
 
『Moving Violation』は、気持ちは新天地に向っているジャクソン兄弟にとっては気合いの入ったアルバムではないかもしれませんが、変声期を終えた青年マイケルとすでにソウルなジャーメインのボーカルが堪能できる貴重なアルバムでもあるのです。そしてこのSweetで切ないバラードで2人のボーカルが絡み合うのです。 

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◆ The Jacksons 『Victory』(84)ブラザー6人が集った唯一のジャクソンズのアルバムを掘り下げる。これを読めば6倍楽しめる(かも)。 [楽曲・アルバムレビュー(ジャクソンズ名義)]

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 前人未踏の成功をおさめたマイケル・ジャクソンの『スリラー』。1984年に入っても『スリラー』からの最後のシングル「スリラー」のショートフィルムによりさらなるマイケルフィーバーは続いていました。その真っ只中で、ジャクソンズとしての動きが始まります。マイケル自身は、『スリラー』の成功によりジャクソンズから離れソロ活動へシフトする事を考えていましたが、マイケルの思いとは別に、ジャクソンファミリーは今こそジャクソンズの力を結集してプロジェクトを進めるべきと言う思いを強めた。
 そして息子たちにマネージメント契約を切られていた父・ジョーが、ここにきてマネージャーに復帰しジャクソンズとしてのプロジェクトを進めようとしていきます。周囲のフィーバーとは裏腹に、そのフィーバーの中心であるマイケル自身は、非常に冷めていた感じです。しかし、母・キャサリンも共同開催者として名を連ねたツアーにもなり、説得もされマイケルは兄弟たちと最後のツアーに出ることを決意します。
 そしてまず、ジャクソンズとしてのアルバムを出し、その後、スタジアム級の場所で行うツアーを行うことを決定します。アルバムのレコーディングは1983年の年末から始まったようです。
 モータウンでのジャクソンファイブ時代も含め、グループの中心でリードボーカルはマイケルでしたが、1984年に発売された『Victory』は、それまでのマイケル中心のアルバムではなく、ジャッキー、ティト、マーロン、ランディーもリードボーカルをとり、さらにそれぞれがProduceした楽曲が収録された作品となります。それまで一人、モータウンでソロ活動をしていたジャーメインも9年ぶりに復帰します。ジャーメインの場合は、制作曲はなくボーカルのみの参加となります。

ヴィクトリー

ヴィクトリー

  • アーティスト: ジャクソンズ
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD

 なぜ『Victory』は個々のソロ作品を集めたような作品になったのかをまず掘り下げていきたいと思います。

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◆ State Of Shock / Jacksons 『スリラー』の後、全世界が注目する中、マイケルが共演したのがローリング・ストーンズのミック・ジャガーだった [楽曲・アルバムレビュー(ジャクソンズ名義)]

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 1982年の12月に発売された『スリラー』。このアルバムからは1年にわたり7曲のシングルがカットされ、「ビリージーン」「ビートイット」がNo1シングル、他の5曲もすべてTop10にチャートInするという記録も生みます。そしてアルバムも売れ続けます。グラミー賞での7冠、1983年12月、「スリラー」のショートフィルムによりさらなるマイケルフィーバーが起こります。私もこの「スリラー」でマイケルをリアルタイムに感じる事になります。
 マイケルは『スリラー』の成功で、エンターテイメント界の頂点に登りつめたと言ってもいいと思います。そして『スリラー』熱も多少落ち着いてきた頃、次にマイケル・ジャクソンがどういう動きをするのか!?全世界が注目する事になります。マイケルも意図的に表舞台に出ることを控えていたといいます。そんな状況でいろいろな情報が錯綜していましたが、最終的に、マイケルとブラザーがジャクソンズとしてのアルバムを出し、ツアーに出ると言う事が発表されます。全米はジャーメインも含めたジャクソン兄弟6人が揃ったツアー発表の記者会見に熱狂します。

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 マイケルは『スリラー』の前人未踏の成功後、ジャクソンズとしての活動から離れるつもりだったと述べています。インタビューでもわかるように『オフ・ザ・ウォール』『トライアンフ』(Jacksons)期では、マイケルはジャクソンズを母体とし活動するような発言をしています。しかし、『Thriller』での桁外れの成功と評価により、ソロ活動とグループ活動とを平行して行うことに難しさを感じ始めたように思います。
 ジャクソンズとしての活動のギャラも、ブラザーで均等に分けられていたようですが、マイケルはお金の面でソロ活動に注力したいという事ではなく、Creativeな面で兄弟たちとのバランスをとっていくことに難しさを感じていったようです。それは、楽曲のアレンジだったり、収録曲の事だったり、ツアーの演出だったり、自分の主張だけを通すことが難しく、他の兄弟の意見に従うことも多々あったようです。そして、ソロとしての楽曲とジャクソンズとしての楽曲との差別化の難しさも感じていったように感じます。ジャクソンズとしての活動に時間を配分する余裕がなくなっていったようにも思います。
 しかし、父・ジョーや、母・キャサリンは、ジャクソンズあっての各々という意識が強かった。『スリラー』でマイケルはワールドワイドなスーパースターとなった。そして長らくモータウンでソロ活動をしていたもう一人のリード・ボーカル、三男ジャーメインも、アリスタレコードに移籍し快調なソロ活動を開始した、このタイミングで、ジャクソンズとしての力を結集せずにどうするんだという思いをファミリーはもったに違いありません。ここで兄弟たちの意志によりマネージメント契約の更新がされずにジャクソン兄弟から離れていた父・ジョーが再びマネージメントに就くことになります。そして、ビックプロモーターのドン・キングも呼び寄せる事になりますが、この事でビジネス臭が一気に高まることになります。関わる人間は、いかに自分の懐にお金をいれるか暗躍した。そんな状況でマイケルだけはその思いからは大きくかけ離れていたように思います。
 しかし、兄弟とファミリーへの恩返しの思いをもってマイケルはジャクソンズの活動を継続します。そこには、母、キャサリンの説得も大いに働いたようです。そして、一度ステージに立つとマイケルは躍動し、ファンに最高のステージを見せてくれるのです。

 
 1984年7月、ジャクソンズとしてアルバム『ビクトリー』を発表。当初、このプロジェクトのタイトルのマイケルの案は『ファイナル・カーテン』。そこにマイケルの気持ちが如実に表れています。しかしファミリーが大反対で『ビクトリー』におちつく。もともと「Victory」という楽曲がクイーンのフレディ・マーキュリーと制作していた3曲の内の1曲と言われていますが、未だに表には出ず。アルバムタイトルのイメージとしては、前作の『トライアンフ』と同じように、前人未踏の成功を収めたマイケルの勝利はジャクソンファミリーの勝利というイメージもあったのだと思います。
 そしてアルバム発表後、北米大陸をまわる(当時としてはギネス級の)大規模な「ビクトリーツアー」が開始されます。(最終的には、USAとカナダで55公演、200万人を動員)

Victory

Victory

  • アーティスト: Jacksons
  • 出版社/メーカー: Sbme Special Mkts.
  • 発売日: 2008/03/01
  • メディア: CD


 これまでジャクソンズのアルバムのリードボーカルは、当然のごとくマイケルでしたがが、今作は、兄弟が自作の作品をそれぞれがもちよりそれぞれがボーカルをとる、各自のソロ作を集めたような作品になります。(ジャーメインは楽曲の提供はなし)アルバムは、1984年の7月に発売されますが、出荷と同時に200万枚売れるという(当時の)初回出荷数の記録を生みます。

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