SSブログ

◆ Michael Jackson 『XSCAPE』 Track List 8曲の公開 [マイケル死後・プロジェクト]

                                                                                                                   ORIGINAL 2014.4.20Up
xscape335.JPG

 この記事は、2014年5月14日、マイケル逝去後の2枚目のアルバムとなった未発表曲集『XSCAPE』の発売の約1ヶ月前にUpした記事です。まだ発売前で、収録曲もオープンになっておらず、曲目だけが海外のサイトで発表された段階でした。その発表を受けてマイケル死後の未発表曲アルバムについての思いとSONYのプロモーションについて綴ったものです。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 2014年5月14日、マイケル・ジャクソンのアルバム『XSCAPE』(エスケイプ)の国内盤が発売されます。ニューアルバムという言い方がされていますが、ニューアルバムではないでしょう。そこにMJの意志は反映されていないのだから。
 この作品の発表を、天国のマイケルがどう思っているかはわからない。けど、われわれファンが喜んでいる、楽しみにしているという一点では、マイケルも笑顔でいるのではと思う。
 さっそくBMRのサイトや、海外サイトでもTrack Listの8曲が公開されています。
 多分、この8曲なんでしょう。タイトルは変わっているかもしれませんね。

 Slave To The Rhythm
 Chikago 
 Blue Gangsta
 Love Never Felt So Good
 A Place With No Name
 Do You Know Where Your Children Are
 She Was Lovin Me → Lovin' You
 XSCAPE
  BONUS TRACK あるかも

 この内、6曲はリークされていてけっこう出回っていて、音源はある。私、別にどこかに特別なルートがあるわけではありません。普通にネットをたどっていったら、遭遇した6曲。実際、これまで普通に聞いていた(十分聞けるクオリティー)ので新鮮味にかけるといえば、そう。の2曲はちょっと知らない。
 

 で指揮をとったLAリードが、これらの楽曲をコンテンポライズ化(現代化)したとあります。LAリードって知ってる人は知っていますが、80年代後半BabyfaceとProducerコンビを組みLA&BABYFACEでヒットを連発していたアントニオ "LA" リードです。ベイビーフェイスとのコンビを解消してからは経営の方にまわり、TLC、Usher、アウトキャスト等、やり手の彼の手腕で、多くのアーティストが成功をおさめている。その嗅覚のするどいサウンドクリエイターでもあるLAリードが指揮をとったというのが興味深い。



 さらにBABYFACEとともに設立したLAFACEレーベルに、マイケルの兄ジャーメイン・ジャクソンを招いたのも彼。そのジャーメインとのアルバムを制作中に、1億万枚のセールスを掲げ『DANGEROUS』の完成を目指すマイケル・ジャクソンに楽曲提供を要請され、ジャーメインとのレコーディングを一時中断しBABYFACEとともにネバーランド入りしてレコーディングし、ジャーメインの怒りと失望をかったのも彼。
 結局、LAFACEの楽曲はアルバムに収録されず、『DANGEROUS』はTeddy Rileyをメインにしたサウンドとなります。その時のLAリードの失望感は相当なものだったと思います。彼らにはそれなりのお金は支払われたと思いますが、大事なジャーメインとのWORKSを中断してまでかけつけたのは、金ではなくマイケル・ジャクソンのアルバムに参加できるという名誉からだと思います。
 その後、マイケルは『HISTORY』期に、BABYFACEと「On The Line」「WHY」という素晴らしい楽曲を作り上げており、BABYFACEの無念はこれで晴らされたと思いますが、LAリードは、今回ついにこのビックプロジェクトの全指揮権を委ねられたというのはどういう思いなのでしょうか。
 
 なかなか選び抜かれた8曲のトラックリストの正式発表がない。レコード会社も、タイミングを計っているのでしょうが。
サイトをいろいろ見てると、ジェシー・ジョンソン(The Time」がギターPlayをしてるとか、D'Angelo(ディアンジェロ)や少女時代マイケルと結婚すると決めてたというメアリー・Jブライジの参加の話なんかも出ている。
 この辺は蓋を開けてみないとわからない。本当にこの8曲なのか半信半疑だけど、今まで聞いていた曲についてちょこっと触れたいと思います。
 
 「Slave to The Rhythm」の収録はうれしいところ。既にCMでTimbalandバージョンが流れてるけど(やはりこれもプロモの一環だったんだな)、デラックス盤はオリジナルも収録されているとの事。この曲に、多くのリスナーは度肝をぬかれるはず。なんでこんなクオリティーの曲が、アルバムに収録されていなかったのか?と。

 
 「Love Never Felt So Good」は、この楽曲群の中ではちょっとカラーの違う『オフ・ザ・ウォール』期の曲。公式にも、ジョニー・マティスの84年のアルバム『Special Part Of Me』に提供されていて、ポール・アンカ、キャシー・ウェイクフィールドとともにマイケルもライターとしてのクレジットがある。
 

Special Part of Me

Special Part of Me

  • アーティスト: Johnny Mathis
  • 出版社/メーカー: Funky Town Grooves
  • 発売日: 2013/01/15
  • メディア: CD


 
 ジョニー・マティスバージョンは、AORっぽいフィリー風の感じで歌ってるけど、マイケルバージョンは、生き生きとした愛の賛歌。ライターの構成からしても「This Is It」と同じころに作られた曲ではないかと。そしてマイケルのボーカルが素晴らしすぎます。『BAD』の頃から強まるシャウトボーカルですが、この曲を聞くとマイケルってなんて素晴らしいボーカリストなんだろうって感じるに違いない。
 
 「A Place With No Name」もマイケルの好きなシャッフルグルーブと耳に残るメロディー。カバー曲みたい。

 
 「Do You Know Where Your Children Are」は、マイケルのシャウトボーカルがはえるエッジの効いたロックTasteの曲。ジェシー・ジョンソンの参加があるとしたらこの曲か??

 
 「XSCAPE」は、『Invincible』でのメインプロデューサー、ロドニー・ジャーキンスとの楽曲。ロドニーって『インビ』期にマイケルとかなりの時間を過ごしたみたい。製作時期も、前半と後半がある感じで、着手していた98年の頃の作品は一旦リセットされたという。ホイットニー・ヒューストンのアルバムにも収録されている「If I Told You That」(後にジョージ・マイケルともDUO)もマイケル作品への提供曲だったときくし。その時に流れた曲の一つか。

 元々これもエッジ感の強い曲だったけど、Rodneyが再びやり直したという事はさらにかっこよく仕上げてるんでしょう。Rodneyは以前から、マイケルのアルバムに関わっている事を公に述べていた。ただ今回のプロジェクトのサウンドの中心となっているのはロドニーではなくティンバランドっぽい。Rodneyの元にはもっとたくさんの曲があるように思う。
 
 「Blue Gangsta」は、ヒップホップ色の強い曲。マイケルの好むマフィアTasteを感じる。Dr.Freezeの名前が出てるな。ラップをフューチャーされたバージョンと、マイケル単独のバージョンがある。

 
 だいたいこういうリークって誰がどういう意図でするのだろう??ネット社会だから、一度流出するとなかなかそれを止めることはできない。

 
 今回指揮をとっているLAリードは、エステートより、マイケルのヴォーカルが完成した状態の、40年間分の素材への完全アクセス権を与えられたという。
そうした莫大な楽曲の中からこの8曲を絞ったということか。ただその内6曲はネットでリークされていて、普通に聞ける状態にあるというのはどういう事なんだろう?ある意味、そういうものを整理すべく、今回の正式リリースに踏み切ったという事か。
 Timbaland、ロドニー・ジャーキンス、スターゲイト等のProducerは、LAリードの選出か。『Invincible』で採用されなかったというファレル・ウィリアムス(The Neptunes)が参加してなさそうなのは残念。MJの事を最高にリスペクトしているファレルはぜったい関わりたいと思ってるはず。
 前回の『MICHAEL』プロジェクトの疑念の要因となったテディー・ライリーは、排除されている感じ。
 
 さらに一時は、社長だったトミー・モトーラとの関係で最悪だったソニーも、今回〝One Sony"という言葉をかがげ、一丸となってのワールドワイドのプロモーションを展開している。
このソニーの声明に、ふと『Invincible』期の確執を思い出した。
 なぜ『Invincible』の時に、どこまでが真実かわからないけど、このアルバムの積極的なプロモーションを行わなかったのか?なぜマイケルは、トミー・モトーラの事を悪魔とまで、あの心優しいマイケルがそこまで言わなくてはならなかったのか、不思議でしかたなかった。そこに日に日に人間不信に陥っていくマイケルの姿も感じれるけど、トミー・モトーラの行動は不可解。かつてはマイケルもソニーを最高のパートナーシップの相手と評し、『DANGEROUS』期ではトミー・モトーラのバックアップにも感謝の言葉を述べてた。
 
 ただ最近思うのは、あのビートルズの版権の存在です。

 このビートルズの版権は、われわれが思っているより、相当すごいものだったと思う。その価値が、日に日に増していったようにも思う。マイケルの浪費による負債やネバーランドの莫大な維持費も、この版権が帳消しにしていたという話もある。まさに今の借金大国日本みたいな感じ。バランスシート上では、資産と負債の帳尻があっているという。
 だいたい読んだ本やネット情報を見ての自分なりの判断だけど、ビートルズの版権は、金銭的にはマイケルにとって最後の砦のようなものだった気がする。『Invincible』が過去のアルバムなみにメガヒットをすればマイケルサイドの財政は一気に改善される。
 一方、トミー・モトーラは、マイケルとビートルズの版権を天秤にかけた。普通に考えたらすごいポテンシャルの「Unbreakable」を先行シングルにして、いわゆるプロモーションビデオ(マイケル的には好まない言い方でしょうが)を作成した方がよかったと思う。しかし「You Rock My World」を先行シングルに選んだ。でもそれなりの、普通のアーティストから見たら桁違いの製作費をかけてビデオも制作した。
 トミー・モトーラは、あえて「You Rock」を試金石にした。けっして完成度の低い曲ではないけど、久々のマイケルの復活シングルにしてはパッションがうすい。しかし、ビデオの製作費はかなりかけた。そこはマイケルサイドへの言い分として。で、実際市場での反応は、マイケルの復活シングルにしては考えられないHOT100-10位。ミリオンセールスなどほど遠い結果となった。そして、SONYとしてはこれだけ制作費もかけて制作したのに結果が出なかったのは、レーベルの責任ではなくアーティスト側にあるという理由づけもできた。
 アルバムは1位になったものの、最初だけで、これまでの作品のように多くのファンを長期的に取り込むことができずその後失速。この結果で、トミー・モトーラは、マイケルよりビートルズの版権を獲得する事に注力する事を決定したのではないか。もうマイケルは以前のように金を生み出せないと・・・
 経営的に見たら、それは妥当な判断なのかもしれない。お金製造機のようなビートルズの版権をまずはマイケルから奪えば、マイケルの頼みの綱はなくなり、マイケルは完全にソニーの支配下におかれ、もう一つのお金製造機の役割を担わされたのではという思いも持ってしまった。
 過去に、非情なというかビジネス的な扱いをうけ、苦しい思いをもったマイケルが、自分の死後、こうしてソニーが、「One Sony」という言葉を掲げ、ワールドワイドでプロモーションをする事に対してマイケルはどう思っているのだろう。
 
 基本、このアルバムは大歓迎でケチをつける気はないのですが、ふとその事は思い、記さずにはいられませんでした。
どちらにしろ5月14日の発売、超楽しみです。
 なんかすごいアルバムに仕上がっている気がする。前回の『MICHAEL』とは比べ物にならないようなアルバムに。世界は、あらためてマイケルの音楽の素晴らしさとその偉大さを感じるに違いない。そしていかにとてつもない才能と優しさをもったアーティストを失ったという事も噛み締めるに違いない。

コメント(0) 
共通テーマ:音楽

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント