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◆ Our Love Story / Jermaine Jackson ☆ もし私がジャーメインのバラードBESTを作るとしたら ☆ [ジャーメイン・ジャクソン]

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 11月にブルーノート東京でジャーメイン・ジャクソンのソロ公演が決まりました。
 90年に横浜(BIRD)でのジャーメイン自身のソロライブに行きましたが単独LIVEはそれ以来。最近だと、2012年にジャクソン・フォーとしてブラザーとUNITYツアーとして来日。マイケルに代わってジャクソン・ファイブやジャクソンズの曲のリードをとりました。そして多くの人が、ジャクソンファイブのもうひとりのリードボーカリストであるジャーメインの素晴らしさを感じたと思います。そして今回は待望のソロLIVEです。現在、65歳のジャーメインですが、見た目も若いし、年とるとけっこうブクブクになる男性ソウルシンガーと違いスタイルも維持していて、ボーカルトレーニングもしていると思われます。
 以前にも、マイケルというとてつもない太陽によって、他のブラザーの光が見えにくくなってしまったというような事を書きましたが、その事はジャーメインに一番あてはまるように思う。マイケルの兄という視点がなければ、もっとすばらしい実績と評価を得たのではという気がしてなりません。
 高音の伸びも素晴らしく、シャウト唱法にも魅了されるマイケルとは対照的に、ジャーメインのボーカルは、ソウルで優しくセクシーさもある。バラードではその魅力が増す。個人的には、さらにミディアムソングでそのボーカルの魅力は増すように思います。日本でもわかっているソウルファンは、ジャーメインに魅了されている人は多い。
 
 そんな視点で、今回、Ipodでジャーメインのバラード曲によるBestのPlayList(CD1枚におさまる)を私独自の視点で作ってみました。(こんなマニアックな記事Upしてる奴はいないよね!)
 Ipodで作るので、CD音源からのセレクトになります。残念ながら80年代に入ってからのモータウン時代のアルバムは、(私の知っている限り、現在)『Let's Get Serious』しかCD化されていません。あとはベスト盤で一部の曲が収録されています。
 マイケルでいう『Off The Wall』(79)的な、ジャーメインの『Let's Get Serious』(80年)以降の作品から、独断でセレクトしてみました。あまり王道の選曲ではない気がします。けっこう、いやかなり個人的な嗜好もはいってる。あと、楽曲の良さももちろんですが、ジャーメインのボーカル、七変化とも言えるボーカルが堪能できるという視点でも選んでいます。実際にCD作ってみたら15曲の収録となりました。

 
 曲順も考えてPlaylistは作りました。


 
 でタイトルも考えてみました。それは『Our Love Story』です。「Our Love Story」は、ジャーメイン・ジャクソンのアリスタ移籍第2弾アルバム『プレシャス・モーメンツ』(86)の収録曲。シングルカットもされてもいない曲なのですが、すごく気に入ってる曲なんです。ベストバラードセレクトにもFitするタイトルでしょ。
 こういうミディアムで、ジャーメインの歌のうまさがよりわかる。『プレシャス・モーメンツ』は、大ヒットアルバムにはなりませんでしたが、マイケル・オマーティアン、デヴィッド・フォスターの弟子的なトム・キーンがジャーメインの大人の魅力を、楽曲の良さとともに見事に表現したアルバムで、ジャーメインの魅力がつまった彼の作品の中でもBestだと思っています。アルバムについては、また次回紹介させて下さい。

 それでは私が各アルバムからPick Upした曲をDiscography的に年代順に紹介していきます。(数字は今回のPlaylistの曲順です)
  
レッツ・ゲット・シーリアス

レッツ・ゲット・シーリアス

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2019/03/20
  • メディア: CD

 80年の大ヒットアルバム『Let's Get Serious』(POP-6位/R&B-1位)からは、「We Can Put It Back Together ❾」をセレクト。アルバム『Let's Get Serious』は、マイケルでいえば『Off The Wall』的な名盤。シングル「Let's Get Serious」は、元々スティーヴィー・ワンダー自身の曲でしたが、モータウンのドン、ベリー・ゴーディーJrの一言でジャーメインに譲られます。ファンキーかつ洗練されたかっこいいこの曲は、R&Bで1位に輝くだけでなく、見事に80年のビルボード年間R&B・No1シングルにも輝きます(グラミーは獲得できず)。
 さらに最高なのが、同年のビルボード年間R&BのNo1アルバムが『Off The Wall』なのです。ジャーメインとマイケルが80年のビルボードのR&B部門のTopに立ったというのは最高!
 ジャクソンズから脱退し、エピックで兄弟たちがヒットを飛ばす中、なかなか結果の出なかったジャーメインにやっとソロとしての輝かしい実績を残します。
 メガヒットシングルはこのタイトル曲のみでしたが、アルバムの完成度も高いです。かつてはCDはレアでしたが再発され適正価格で流通しているかと思います。マイケルのようなPOPさはないですが、素晴らしいソウルアルバム。
 そして、この「We Can Put It Back Together」はジャクソン・ファイブ時代の「ダディーズ・ホーム」(POP-9位、R&B-3位)を彷彿させるようなソウルバラード。ソウルフルなジャーメインのボーカルが堪能できます。この頃のジャーメインはソウルだった。アリスタレコードに移籍してから、意外とソウルさはうすれ、艶やかな感触のボーカルに変わっていった。
 
 
 
 81年、『Let's Get Serious』から1年をおかずに次作『Jermaine』が発表されます。前作の成功は、スティーヴィーの力に負う所もあった。今作では、ジャーメインが、曲も書き、演奏もし、そして歌う。シンガー。ソングライター的なジャーメインの魅力がつまった1枚です。アルバムタイトルを自分の名前『Jermaine』にしたのもわかる。アルバムチャートは、R&B-17位、POP-27位。前作の勢いはそのまま続かず。
 このアルバムからは「You Loke Me Don't You」(R&B-13位、POP-50位)というミディアム曲がヒットします。ジャーメインのLiveでも歌われ、84年のビクトリーツアーでも、ジャーメインは任せられた3曲の内の1曲にこの曲をセレクトしている。
 このアルバムからの一般的なセレクトでは「You Like me Don't You」でしょうが、私の一押しバラードは「First You Laugh Then You Cry」(微笑みと涙)、アコースティックな美しいスロー、後半は感動的な盛り上がりです。ただ残念ながらこのアルバムがCD化されていません。
 で最終的にセレクトしたのが、ベスト盤に収録されている「All Because Of You ❽」(愛の瞬間)です。この曲もジャーメインらしい、優しいメロディーライン。ファルセットボーカルでも歌い、バックコーラスとの掛け合いとストリングスも美しい。
 
 
 
 82年の『I Like Your Style』。個人的には、モータウン時代のアルバムで一番好き。このアルバムでもジャーメインのプロダクションとマルチな才能がより堪能できるアルバム。もっとシングルにしてもいいような曲があるんですが、最大のヒットは「I'm Just Too Shy」(R&B-29位、POP-50位)。アルバムもR&B-31位、POP-86位。チャート的にはイマイチですが、完成度は高い。
 このアルバムからは、兄弟への愛を歌った曲「My Brother's Keeper ⓯」をセレクト。ジャーメインのバラードは、ストリングスで包まれたフィルムチックな感動的なスローバラードも多い。後述する『ダイナマイト』のエンディングの「Oh Mother」も本当に感動的なスロー。両曲ともジャーメインと数多くの美しいバラードを共作しているエリオット・ウィンスキーとの作品。
 マイケルも、「She is out of my Life」の終盤、感極まって涙ぐんでいますが、兄弟たちに捧げたこの曲で、ジャーメインも同じように涙声でのボーカルです。それほど気持ちが入っているのが伝わる。当時、ジャクソンズから離れ一人ソロ活動をしていたジャーメイン。兄弟やマイケルへの変わりない愛を歌った感動的な1曲です。この曲もベスト盤に収録されています。

Spectrum Collection

Spectrum Collection

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal UK
  • 発売日: 2007/06/12
  • メディア: CD

  この『I Like Your Style』には、他にも「Maybe Next Time」という美しいバラードもある。「It's Still Undone」はブルース色の強いベースが効いたセクシーなバラード。デジタル音源があればセレクトしたかった曲。
 あとリタ・クーリッジとの大人のDuo「Is It Always Gonna Be Like This」も、ソフトでソウルな感じがすごくいい。ホイットニー・ヒューストンとのDuoのイメージが強いジャーメインですが、リタとの相性も抜群。今回のMy Selectでのリタ・クーリッジとのDuoは、83年の彼女のアルバムに収録された「We've Got Tonight ❿」。この曲は元々はボブ・シガーの曲ですが、83年にケニー・ロジャースとシーナ・イーストンのDUOでカバーされ、カントリーチャートで1位になっている曲。

ベストCDコレクション

ベストCDコレクション

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 株式会社ポニーキャニオン
  • 発売日: 1987/06/21
  • メディア: CD
 
 We've Got Tonight」は、美しいメロディーラインにシンプルなバックトラックがのり、よりジャーメインのボーカルの素晴らしさを堪能できるSlowバラードです。

 
 
 81年のアルバム『Fancy』は、R&B-9位、POP-46位となります。ベリー・ゴーディーも大きく関わった作品。このアルバムからタイトル曲の「ファンシー」がR&B-5位、POP-18位という久々のスマッシュヒットとなります。「ファンシー」はCoolなハンドクラップがかっこいい。この曲はLiveでもやっていたけど、この曲を生バンドの演奏で歌うジャーメインはかなりかっこよかった。
 このアルバムからも、感動的なSlow「You Moved a Mountain」、ジャーメインのソウルかつセクシーなボーカルも魅力的なSlow「I Like Your Style」もいい。ここでもシリータ・ライト(スティーヴィー・ワンダーの元妻)との大人のDuo「You Belong To Me」も収録されています。92年のTVドラマでジャクソンズの物語が作られますが、そのサントラでもシリータと「Stay With Me」という曲をジャーメインと共演しています。
 実はこのアルバムからのセレクトがありません。CD音源がないのです。前述の3曲のどれかをいれたかった。
 
 ジャーメインのモータウンでのソロ作はここで終わります。義父でもあるベリー・ゴーディーもレーベルをあげてジャーメインのソロへの成功の後押しをしてきましたが、大きなヒットは『Let's Get Serious』のみでした。モータウン自体も80年代に入ってかつてのような勢いはなくなってきていた。モータウンのプロダクションにも限界が見えてきます。
 
 そんなジャーメインのターニングポイントのひとつとなったのが84年。この年、マイケル・ジャクソンの前人未到の『スリラー』の成功後のツアー、ビクトリーツアーが父親のジョーの主導の元進められます。ジャーメインはモータウンとの契約は更新せず、クライブ・デイヴィス率いるAOR色の強いアリスタレコードへの移籍をはたします。そして、モータウンを離れた事によりジャーメインもジャクソンズへの復帰をはたします。
 

ダイナマイト

ダイナマイト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SOLID / FUNKY TOWN GROOVE
  • 発売日: 2013/01/30
  • メディア: CD




     84年のアリスタ移籍第1弾アルバムです。当時のアリスタ社長のクライブ・デイヴィスの手腕も光るアルバム。正式なタイトルは『Jermaine Jackson』ですが日本では『ダイナマイト』として発売。レコード会社も相当なお金をかけてプロモーションもした。No1シングルは出ませんでしたが、アルバムは見事にR&Bで1位になります(POPでも19位)。
     何度も取り上げていますが、マイケルとの「Tell Me I'm Not Dremin」、ホイットニーのプロモーションにもなった「Take Good Care Of My Heart ❸」(優しくマイハート)も収録。ホイットニーとマイケルという世紀のスターとのDuo曲を収録しているアルバムはこの作品のみでしょう。No1ソングになりえた「Tell Me I'm Not Dremian」がシングル化されなかったのは残念でなりません。
     以前にも紹介した通りホイットニー・ヒューストンとは、5曲のDuo Song(1曲はお蔵入り)があります。そのホイットニーのお披露目的な曲でもあった「Take Good Care Of My Herat」。いい曲です。こういう都会的なミディアムはジャーメインにあう。ホイットニーはけっこう控えめ。この曲をもらすわけにはいけません。
     このアルバムからは「Do What You Do ⓫」というラテン調のバラードがヒット。「マニアック」のマイケル・センベロもリズムアレンジに参加していい感じにしている。アリスタ時代のNewジャーメインの代表曲といってもいい。この曲もキーをおとしてソウルなボーカルが魅力的。ブラックゴッドファーザー的なMVのジャーメインも相当かっこいい。この感触は、マイケルにはだせない世界観です。再発された『ダイナマイト』のボートラ(かなり貴重)のExtendedバージョンをセレクト。
     前述の「Oh Mother」は本当に感動的なスローで、母キャサリンに捧げられた曲。マイケルもこんなに素晴らしいバラードをジャーメインに作られてジェラッたかも。否、そんな事はないか。兄弟姉妹、母ほど素晴らしい女性はいないと絶賛している。兄弟姉妹を代表してジャーメインが母へ捧げた曲でしょう。
     
     
     
     85年、ジャーメインはサントラ関連の曲を出します。ひとつがジョン・トラボルタ主演の『パーフェクト』、ここではアリスタ所属のアーティストが総動員されますが、主題歌のDanceチューンを歌うのがジャーメインでした。
     もう一つがピア・ザドーラとのDuo、「When The Rain Begins to Fall ❶」(恋の雨音)。今回この曲をセレクト。この曲バラードじゃないじゃんって言われたらそうなんですが・・・大人のLove Songという事で。
     ピア・ザドーラはミュージカル出身の女優で平行して積極的に音楽活動もしており、この曲でジャーメインとの共演となります。こういう曲にジャーメインのボーカルがまたフィットする。ドイツで1位を獲得、欧州のダンスチャートでもヒットした曲。
     この曲もかなりお金をかけた映画のようなMVが製作されますが、ジャーメインも相当かっこいい。ジャーメインって本格的に俳優活動もすればよかったのにって思うおれです。

    Greatest Hits

    Greatest Hits

    • アーティスト:
    • 出版社/メーカー: Bmg Int'l
    • 発売日: 2009/12/15
    • メディア: CD
     ここではかなりの貴重なExtendedをセレクト(上記のBEST番にはシングルバージョンが収録)。ピア・ザドーラのボーカルはちょっと微妙な個所もありますが…余談ですがピアは、88年にあのジャム&ルイスにもフルProduceされています。ジャム&ルイスが、当時アルバムをトータルProduceするってジャネットかシェレールくらいだった。それも白人女性ポップ歌手のピア・ザドーラをフルProduceするというのはかなり特別な事で、いまでも彼らのProduce作品では異色の1枚。(思いっきりFlyte tyme SOUNDでいいですが) 
     
    そよ風の贈りもの~25周年記念盤(DVD付)

    そよ風の贈りもの~25周年記念盤(DVD付)

    • アーティスト:
    • 出版社/メーカー: SMJ
    • 発売日: 2010/02/03
    • メディア: CD
       


       85年、Producerとしての活動も望んでいたジャーメインには素晴らしい活躍をします。それが亡きホイットニー・ヒューストンのデビューアルバムへの参加です。前述の「優しくマイハート」はこのアルバムにも再収録され、さらに多くの人に聞かれたと思います。
       ジャーメインは、ダンスナンバーの「Someone For Me」とスローバラードの「Nobody Loves Me Like You Do」(夢の中の二人)を手がけます。
       ホイットニーとの3曲目のDuoとなった「Nobody Loves Me Like You Do ⓮」は素晴らしい。このバラードではソウルなジャーメインを感じる。ジャーメインは抑え気味で、ホイットニーのボーカルは「優しくマイハート」とはうって変わって熱い。また二人の共演を見たかったですが、叶わなくなりました。ホイットニーの安らかな眠りを祈ります。

      プレシャス・モーメンツ

      プレシャス・モーメンツ

      • アーティスト:
      • 出版社/メーカー: BMG JAPAN Inc.
      • 発売日: 2009/11/04
      • メディア: CD
       
       86年、アリスタの第2弾アルバムです。このアルバムがジャーメインのソロで一番好きです。R&BというよりかなりAOR色が強い。アリスタでの最初のアルバムは、どちらかといえばクライブ・デイヴィスの方針にのって製作されたアルバムだと思いますが、この作品はジャーメインの本来のカラーが出たアルバムだと思います。ジャーメインのブレイン的なマイケル・オマーティアンとの相性も抜群です。本来、自身でも曲を書くジャーメインですが、前作での自作曲は2曲のみ。今作では6曲にソングライティングでも参加しています。
       このアルバムからは「Our Love Story ❺」と「Words Into Action ⓭」をセレクト。
       今回のIFバラードベストのタイトルにもした「Our Love Story」は聞きまくっている曲なんです。86年からずっと聞いてる。地味といえば地味なんですが、僕たちのLove Storyっていうタイトルも好きだし、パンフルート(っていうの?)の響きがすごくいいアクセントで心地よく、エレクトリックなロックのtasteもあり、そしてジャーメインのボーカルが素晴らしい。なんなんでしょうね、この曲にこんなにいれこむって。
       「Words Into Action」もアルバムをしめるバラード。映画『About Last Night』でもいい感じで使われていた。この曲のセンチなメロディーラインも好きだけど、ジャーメインのボーカルの七変化ぶりがすごい。この曲も相当聞いてる。
       このアルバムには、ホイットニーとのDuo「If You Say My Eyes Are Beautiful」も収録。シングルカットされていればNo1も確実だったのに、カットされなかった理由は以前にもとりあげた通りです。タイトル曲「プレシャス・モーメンツ」もジャーメインらしいバラード。ジャクソン兄弟と別の道を歩む遠因にもなった妻のヘイゼル(ベリー・ゴーディーの娘)とは後に離婚する事になりますが、そういった思いも綴った1曲のように思います。
       アルバムにProducerとしては参加できていませんが、デヴィッド・フォスターも参加した「ひとりぼっちのラヴ・ソング」も魅力的。
       すごくよいアルバム(ジャケも超好き)なんですが、R&B-25位、POP‐46位のヒットです。シングルとしてはスティヴィー・ワンダーも参加した1stシングル「I Think Its Love」はR&B-14位、POP‐16位のスマッシュヒット。
       次にジャーメインの歌声を聞くのは意外な形でした。それが、89年、マイケルが完全に離れたジャクソンズのアルバム『2300Jackson Street』で、ジャーメインはジャクソンズに完全復帰し、マイケルに代わってジャーメインがほぼ全曲でリードをとり、まさにジャーメインのソロ作のようなアルバムとなっています。

      2300ジャクソン・ストリート

      2300ジャクソン・ストリート

      • アーティスト:
      • 出版社/メーカー: SMJ
      • 発売日: 2016/08/03
      • メディア: CD
       『2300 Jackson Street』からは、ヒットメイカー:ダイアン・ウォーレンの書いたミディアム「Private Affair」という完全にジャーメインのソロ曲も収録されていて、聞きやすいいい曲ですが今回のセレクトでは外しています。「If You'd Only Believe」もジャーメイン色の強い感動系バラード。ジャクソンファミリーが集った番組でマイケルも含むファミリーで感動的に歌われていました。
       このアルバムでLA&BABYFACEとTeddy RileyというシーンのTop Producerを迎えるジャクソンズ。ジャーメインがリードをとり、LA&BABYFACE Proの最高峰のアーバンDanceチューン「Nothin」との出会いが後のジャーメインのLAFACEレーベルへの移籍にもつながる。

      DON'T TAKE IT PERSONAL (EXPANDED EDITION)

      DON'T TAKE IT PERSONAL (EXPANDED EDITION)

      • アーティスト:
      • 出版社/メーカー: FTG UK
      • 発売日: 2012/05/15
      • メディア: CD
       
       89年のアリスタ第3弾アルバム、そしてアリスタ最後のアルバムになります。前述の『2300ジャクソンストリート』も発表され、89年にジャーメインはソロアルバムを2枚出しているような感じです。
       この『Don't Take It Personal』は、再びクライブ・デイヴィスが大きく関わったアルバム。ホイットニーをスターにしたクライブ。ジャーメインのボーカリストとしての実力は言うまでもない。ホイットニーの時のように、とにかく良い曲を集め優秀なプロデューサーに手がけさせるというスタイルです。当時、母のキャサリンもジャーメインに「クライブにすべてを委ねなさい」という助言を受け入れ、ボーカリストに専念したアルバム。(1曲Song Writingに参加)
       そして、後に「The First Time」で全米1位も獲得するのってるサーフィスが出がけた「Don't Take It Personal ❷」は「Let's Get Serious」以来のR&B-1位シングルとなります。ブラコン色の強いこの曲は、POPでは64位どまり。残念ながらその後のシングルヒットは続きませんでした。アルバムもR&Bで18位となりますが、POPでは115位でした。
       このアルバムからは、ララとの「Make It Easy On Love ❼」とプリンス一派のDavid・Zが手がけた「Don't Make Me Wait ⓬」をセレクト。「Make It Easy On Love」の前半の爽やかなジャーメインのボーカルも素晴らしい、終盤はゴスペル調の感じで盛り上がっていく。
       「Don't Make Me wait」はDavid・Zが手がけたといってもプリンスっぽい感触は一切なく、オーソドックスなスタイル、めちゃセンチなメロディーにジャーメインの切ないボーカルがよくて好き。秋向きなバラード。カシーフProduce曲もあるけど、ちょっと好みじゃなかった。
       今度、貴重なボートラ6曲を加えたExpanded Editionってのが発売されました。海の夜景が美しいしゃれたレストランで流れていたらにピッタリの「Two Ships」のExtendedバージョンはかなりレア。

      ユー・セッド

      ユー・セッド

      • アーティスト:
      • 出版社/メーカー: BMG JAPAN Inc.
      • 発売日: 2009/11/04
      • メディア: CD
       
       そして現在、ジャーメインの最後のソロアルバムとなっているのがこの91年の『You Said』。LA&BABYFACEがたちあげたLAFACEレーベルの、秘密兵器的なアーティストとしてアリスタから電撃移籍をはたしてのアルバムです。マイケルの『Dangerous』と発売時期がほぼかさなり真っ向勝負を挑んだアルバムとなります。
       以前にもとりあげたように(Producerカテゴリーで)LA&BABYFACEは、R&Bでは当時No1シングルを連発するヒットメイカーでした。その彼らが手がけたというだけでヒットは保証されたようなものでした。しかし、そのプロモーション方法(意図的なのか偶然だったのかは不明ですが)で、この素晴らしいアルバムが正当な評価と実績を残すことができなくなります。
       それが以前にもとりあげた「Word To The Badd」という問題曲のリークです。この曲は、兄ジャーメインから、弟マイケルへの愛憎ソングとなりました。曲自体は、エッジが効いてかっこよくてこれまでないジャーメインのスタイルで好きですが。当時、兄ジャーメインでさえマイケルと直接コンタクトがとる事が出来ず、こういう曲でのメッセージとなった。
       前人未到の成功を収め頂点に登りつめた弟・マイケル・ジャクソン。ジャーメインがLAFACEとのレコーディングに入っている中、マイケルは、テディー・ライリーとの楽曲だけでは満足できず、LA&BABYFACEを自分のレコーディングに呼び寄せるという非常識な行動に出ます。その事が、兄・ジャーメインの怒りをかい、この曲が生まれた原因にもなった。
       それはある意味、マイケルの『スリラー』を超えるという野心に取りつかれた余裕のなさも感じてしまう。それほど、全世界の期待に応えなければならないというマイケルのプレッシャーの凄さも感じてしまう。
       そんな弟に、「そんなに気をはるな、孤独になるな、王座から降りてもいいじゃないか、以前のようにファミリーの元へ戻っておいで」と言いたかったと思うのですが、マイケルの肌が白くなったことにも言及したリリックがまたゴシップのかっこうのネタとなった。(当時兄弟でさえマイケルの病気の事を知らなかったと)さらに再びシーンにもどってきたマイケルのシングルが「白人だろうと黒人だろうと関係ない」とうたった「Black or White」だったのだから余計に話題になる。
       この辺の話は、最近発売されたジャーメインの自伝でもとりあげられていますが、やはり今一つ納得できないとこはあります。(またこの曲の経緯についてはUpします)
       当時、ジャーメインとマイケルの溝は修復不能かとも思われましたが、ジャーメインはマイケルに会い、直接この曲の経緯についての話をし、最終的に和解というか、誤解がとけた模様。この後、マイケルが窮地に追い込まれた時、いつもマイケルをの盾となったのがジャーメインでした。

      You Are Not Alone: Michael, Through a Brother’s Eyes (English Edition)

      You Are Not Alone: Michael, Through a Brother’s Eyes (English Edition)

      • 出版社/メーカー: HarperCollins
      • 発売日: 2011/09/13
      • メディア: Kindle版

       ただどちらにしろ、マイケルが修正を要求した修正前のリリックのバージョンが、なぜかリークされラジオで流れ、その事だけが話題となります。弟の才能に嫉妬した兄、白人になろうとしているマイケル・ジャクソンは身内からも非難されているといった悪意に満ちた記事だけが先行する。
       前述の「Don't Take It Personal」のヒットでマイケルとは明らかに異なるジャーメインのスタンスも確立できたと思うのですが、実質の1stシングルが「You Said」というハデハデしい、LAFACEたちもNew Jack Swingを意識した実際に聴覚的な感触も痛い楽曲がシングルにしたのも大失敗だったと思う。ジャーメイン自身も、これまでの作品の中でも最高の出来だと自負したアルバム。シーンのTop ProducerのLA&BABYFACEがフルプロデュースした作品。他にも素晴らしい楽曲がおさめられたアルバムなのに、本来のジャーメインの魅力が出ている曲をシングルにせず、R&Bで39位。POPではチャートインもしないという結果に終わるのです。
       このアルバムからは、「We're Making Wooppee ❹」と「Lovers Holiday ❻」をセレクト。「ウーピィー」は、自身がソロアーティストとしても活躍するBabyfaceのヒット曲「Whipp Appeal」の焼き直し的な曲でもある。モロBabyface的な曲をジャーメインが繊細に歌う。この曲もシングルにしたらヒットしていたと思う。他にも「True Lovers」や「Don't You Deserve Someone」というような曲もBabyface自身のソロアルバムに入っているような楽曲。
       「Lovers Holiday」はLAFACEとジャーメインのアルバム唯一の共作曲としても注目。自身も素晴らしいライターであるジャーメインと稀代のメロディーメイカーBABYFACEの共作曲、そしてジャーメインのカラーも感じれる曲として大好き。こういうミディアムでジャーメインのボーカルがまたいい!
       
       こんな感じで長々とジャーメインのソロ作を振り返りつつCD1枚に収まる15曲をセレクトしてみました。そして現在(2012年時)、ジャーメインのソロアルバムも発表されるような話も聞きます。マイケルの追悼式で歌った「Smile」でジャーメインのボーカルはまったく衰えていない事も感じた。再びジャーメインのソウルで美しいボーカルが満喫できる作品を聞きたい。
        

      ★「All Becouse Of You」や「My Brother's keeper」などシングル化されていない曲も収録されている。
      Spectrum Collection

      Spectrum Collection

      • アーティスト:
      • 出版社/メーカー: Universal UK
      • 発売日: 2007/06/12
      • メディア: CD





        ★2012年に発表されたジャーメインのNEWアルバムは意外なJAZZカバーアルバム
        I Wish You Love

        I Wish You Love

        • アーティスト:
        • 出版社/メーカー: CD Baby
        • 発売日: 2012/10/04
        • メディア: CD





          ★マイケルの逝去後、発表されたAl Walserやファミリーとのシングルバラード。
          Living Your Dream

          Living Your Dream

          • アーティスト:
          • 出版社/メーカー: star/zoom
          • 発売日: 2009/08/28
          • メディア: CD





             
            ★シニータ・ライトとの「Stay With Me」やジャーメインのソロ他、ジャクソン・ファイブ、ジャクソン関係の曲を収録。
            アメリカン・ドリーム

            アメリカン・ドリーム

            • アーティスト:
            • 出版社/メーカー: ポリドール
            • 発売日: 1992/12/10
            • メディア: CD

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