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◆ This Had To Be / The Brothers Johnson(ブラザーズ・ジョンソン) ☆ ルイス・ジョンソンのベースとマイケル・ジャクソン ☆ [楽曲レビュー(コラボレーション)]

                                         2011.3.28Upに加筆
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 前回『オフ・ザ・ウォール』におけるルイス・ジョンソンのベースグルーブの重要性についてふれてみました。ベースPlayだけではなく、マイケルと共作した「Get On The Floor」はその魅力がスパークしている楽曲だと思います。私もめちゃ好き。
 『オフ・ザ・ウォール』期、マイケルとの曲作りの際にできあがったと思われるのが今回紹介する「This Had To Be」です。この曲はルイスと兄・ジョージとの兄弟ユニット→ブラザーズ・ジョンソンの80年の3rdアルバム『Light Up The Night』に収録されています。
   
Light Up the Night

Light Up the Night

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: A&M Super Budget
  • 発売日: 1996/04/16
  • メディア: CD
 
 マイケルは、バックボーカルとしても参加しています。かっこよさと美しさを兼ね備えた稀有なマイケルのボーカルが加わると、その曲に新たな魅力が生まれる感じです。マイケルのバックボーカルは控えめなのですが、すごく魅了されます。 
 アルバムプロデュースはクインシー・ジョーンズです。ブラザース・ジョンソンは、ルイス(ベース)とジョージ(ギター・Vocal)の兄弟ユニット。クインシー・ジョーンズがデビューから完全バックアップしている。ジャズ畑の人と思われていたクインシーのカテゴリーの壁を突き破る手助けをしたのがブラザーズ・ジョンソンだと思う。彼らによってクインシーはR&B色を強めるサウンドを作り上げる事ができた。そしてそれがマイケルとの『オフ・ザ・ウォール』の制作にもつながった気がする。
 


 『Light Up The Night』は、MJとクインシー(Q)との最初の出会いとなった『Off The Wall』(79年8月発表)の翌年の作品です。『OFTW』と同じ頃に制作された作品という観点からも興味深い。参加ミュージシャンも『OFTW』とかぶる。スティーヴ・ポーカロ(TOTO)のクレジットもある。ライターに、ロッド・テンパートンもいる。
 このアルバムからは、この頃からクインシーProduceと抜群の相性をみせるロッド・テンパートンが作曲した「Stomp!」がR&B-1位、HOT-100でも7位に入るヒット。マイケルが歌ってもよさそうなグルーヴィーでかっこいい曲。他にもロッド・テンパートンのSlowも収録されていますし。さらにこの「Stomp」はクインシーのソロプロジェクト『Q's JOOK JOINT』(95)でHip Hop風アレンジでリメイクされていて、これまたかなりかっこいい。
 82年12月の『スリラー』でMJとQは頂点を極めるわけですが、『Light Up The Night』をはじめ『Off The Wall』を手がけた後のクインシーのProdce作品は素晴らしすぎます。
 クインシーは本物のプロデューサーだと思います。っていうかクインシーのようにプロデューサーである前にアレンジャーである人、そして、ここまで一流ミュージシャンを統率できる人はいないでしょう。『オフ・ザ・ウォール』ももちろん相当素晴らしいアルバムですが、同時期に制作されたRUFUS(ルーファス)フューチャリング・チャカ・カーンの『MASTERJAM』のリズムアレンジは『Off The Wall』も超えてる気がする。

マスタージャム

マスタージャム

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2018/06/13
  • メディア: CD
  
 そして次にこのブラザース・ジョンソンのアルバムがくるわけです。クインシー・ジョーンズとの3枚目のアルバムとなります。
 ブラジョンは I'll Be Good To You(76)-3位(R&B-1位)、Strawberry Letter 23(77)-5位(R&B-1位)、というPOPチャートでも大ヒットとなる曲を生んでいますが、そのサウンドスタイルもシーンに強烈なインパクトを与えたと思います。
 特に弟のルイス・ジョンソンは、"20世紀最高のベーシスト"として評されているベーシストで、大物アーティストはルイスのベースを欲して、多くの作品に呼ばれている。クインシーファミリーといってもいいルイス、もちろんクインシーの主要プロジェクトにもほぼ招集されています。
 彼らはギターPlayも凄いけど曲も書ける。そしてクインシーが描くブラック・ミュージックのビジョンにルイス兄弟の才能は大きく寄与したとも思います。
 そしてマイケル・ジャクソンの作品でもルイス・ジョンソンはかなり重要な役割を担っていると思います。特に『オフ・ザ・ウォール』はMJのファンキーさとルイスのベースグルーブの相性は抜群で、最高です。ルイスのベースなくして成立しないとまで思わせる。

オフ・ザ・ウォール デラックス・エディション(初仕様付期間生産限定盤)(Blu-ray付)

オフ・ザ・ウォール デラックス・エディション(初仕様付期間生産限定盤)(Blu-ray付)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/03/09
  • メディア: CD
 
 スラップ奏法(日本ではチョッパーって言い方が馴染んでる)の元祖と言われてる人でもあります。親指(サム)を弦の上で叩いて弾くやつです。このグルーブ感は最高にかっこいい。
  マイケルの『Off The Wall』で特に印象に残るのが、シングルにはなっていませんが「Get On The Floor」。おれのMJのFav曲、Best5にでもあげた曲でもあります。このベースラインは最高にかっこいい。↓うまいよね、この方。

https://youtu.be/YtYsw_TQ7cs

 そこにマイケルのかっこいいVocalがのる。こういうグル―ヴィーでかっこいい曲でマイケルのボーカルは最高にはえる。ライターも、MJとルイスです。
 ルイスのこのベースラインは「Working Day and Night」でも最高。もちろん全米1位にも輝いた「Don't Stop Till You Get Enogh」のベースもルイスです。さらに「Off The Wall」、そして「I Can't Help It」のベースラインも最高に魅惑的。
 っていうか『オフ・ザ・ウォール』ってすごくGroove感のあるFunkyなアルバムだと思うんですが、そのグルーブ感を出しているのがルイス・ジョンソンのベースにあると思います。彼じゃなかったらこのグルーブ感はだせなかったんじゃないかな。
 それは『スリラー』にも続き、あの「ビリージーン」の核ともいえるベースラインもルイス・ジョンソン。マドンナの「ライク・ア・バージン」のイントロのベースラインも似てる。バーナードもぱくったか!?
 
 そんなルイスのブラザーユニットのブラザース・ジョンソンのアルバムにマイケルがバックボーカルとして参加した曲が今回紹介する「This Had To Be」です。この曲もルイスとマイケルの共作にジョージも加わる。Romanticさとかっこよさが共存する魅力的な1曲。
 『オフ・ザ・ウォール』の時に既に出来ていたと思われます。『オフ・ザ・ウォール』制作時、この曲と「Get On The Floor」のどちらかを収録するかで迷ったのかも。ホーンセクションのアレンジはこの頃のクインシーが得意としてた感じ。リズム・アレンジもかなりこってる。
 この曲のマイケルのバックボーカルは控えめ。イントロの「ダ~ラ~ラ~」って箇所。時折、マイケルのあの苦しげな雄叫びも聞こえてそそられる(笑)。80'Sのマイケルのたまらない雄叫びです。この曲のリードボーカルをマイケルがとっていたら最高ではありますが、今回、マイケルはDUOのような形もとらず、控えめなバックボーカルのみでの参加。しかしすぐにマイケルとわかるボーカル、そしてその控えめさがマニア心もくすぐるんですが。『Off The Wall』に収録されていても違和感のない1曲。 
 
 リードボーカルは、兄のジョージ・ジョンソンがとるわけですが、この人のボーカル、パンチ力がないんですよね~。ブラジョン、SOUNDのかっこよさにボーカルが負けてる気がするのですが、このライトなボーカル、それはそれで良いのかもしれません。
 この『Light Up ---』や前述のルーファスの『MASTERJAM』は、『Off The Wall』の匂いも感じる素晴らしいアルバム。これらのアルバムと『オフ・ザ・ウォール』の明確な違いは?と問われたら、やはりマイケル・ジャクソンの存在感というアンサー。マイケルのボーカルとマイケルが生み出すグルーブが素晴らしすぎる。クインシーの産みだす最高のGrooveに最高のヴォーカリストが歌うのですから文句のつけようがありません。そしてライターとしても、「Don't Stop 'Til You Get Enough」「Workin' Day And Night」「Get On The Floor」というすばらしい曲を書いたマイケル・ジャクソン。『Off The Wall』はクインシー主導のアルバムですが、最高のアルバムです。
 『Off The Wall』が気に入った人は「This Had To Be」も間違いなく気に入るはずです!

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