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◆ THE JACKSONS LIVE ザ・ベスト・ライブ(81) オフ・ザ・ウォール期のマイケルの貴重なBEST盤的なLIVE CD [ツアー]

                                            2009/12/31Upに加筆jacksonslive2003001.jpg

 マイケル・ジャクソンのLIVEの映像ソフトは、公式、非公式含めていくつかありますが、ライブ盤となると限定されます。2012年、『BAD25周年記念盤』での英国ウェンブリースタジアムのLIVE映像とさらにCD音源も収録されましたが、一昔前だと、公式なLIVE盤はこの『ジャクゾンズ・ベストライブ』しかありませんでした。クレジットはザ・ジャクソンズ名義ですが実質、マイケルのライブ作品といってもいいと思います。

 収録曲としては、81年7月からはじまったトライアンフツアーを収録したもの。79年のマイケルのソロ『Off The Wall』と80年のジャクソンズの『Triumph』からの作品が中心となっています。当時としてはマイケルとジャクソンズのベスト盤的な感じもあったと思います。King of Popと呼ばれる様になった『スリラー』より前の作品なので、R&B的な作品です。そして、ディスコサウンドのスタイルもあります。『スリラー』以降のMJに馴染んでいる人には、音的にはもの足りないかもしれないし、古くさい印象をもつかもしれませんが、ここには躍動感に満ち溢れるマイケル・ジャクソンがいます。
  
 
 映像(ダンス)とマイケルはきってもきれない関係ですが、逆に映像を断ち切ることによってマイケル・ジャクソンがいかに素晴らしいシンガーか、そしてジャクソンズとしての魅力、R&BのGrooveの素晴らしさ、気持ちよさも感じる1枚です。
 ライブは生演奏ですので、生楽器の演奏もしっかりしていないとライブの意味はなくなりますが、一流ミュージシャンによる生楽器のグルーブもすばらしい。トライアンフツアーのライブ映像もブートで見ましたが、ステージ左上段にホーンセクション部隊もいて演奏を盛り上げている。そしてジャクソンズからはティトもギタリストとしても演奏に加わっている。
 ステージの演出も光と音が中心なので、LIVEの根幹である楽器とボーカルという部分により目が行く感じ。
 
 『This Is It』は、ほんとバックの演奏も素晴らしいし、音も良かったのでライブ盤も聞いてみたいという欲求も強く持った。このベストライブは録音がよいのも魅力です。一つのLIVE公演を収録したのではなく、ベストテイクを収録したアルバムのようです。そして、口パクになんてあるわけもなく、全編でリードをとり歌いきるマイケルがいます。
 映像を断ち切ることによってみえるものはありますが、ライブ映像も見てみたくなる。けっこう癖があるというか独特の視点をもつローリンストーン誌が88年に発表した70年代、80年代のベストライブの中に、このトライアンフツアーが入っているという(逆にその中にビクトリーツアーなんかは入っていないという)。

 オープニングは、『トライアンフ』収録の「Can You Feel It」。オープニングにピッタリの曲です。ジャッキーが、「みんな、感じるかぁー」って感じでもりあげ、ファンのボルテージはあがりまくり。そして、マイケルのボーカルが登場でさらにあがりまくり。
 2曲目は、セルフプロデュース権を勝ち取った78年『Destiny』からのジャクソンズのオリジナリティーをだしたファンキーな「Things I Do For You」。シングルカットはされていませんが、『BADツアー1stレグ』まで定番の曲だった。
 3曲目は、メガヒット作『Off The Wall』からタイトル曲。このライブ盤は、『オフ・ザ・ウォール』からの4曲のシングルヒット曲がすべて歌われているのもうれしい所。当時、マイケルは1枚のアルバムから4曲のTop10ヒットを生んだ初めてのソロ・アーティストとなっていました(その後、すべて自分自身でさらなる記録で塗り替えるわけですが)。
 4曲目は、モータウン時代のマイケル・ジャクソン初めてのNo1ソング「Ben」(71)です。シングルヒットの時のマイケルはまだ14才の少年の声でしたが、大人のマイケルが歌う「ベン」も素晴らしいです。感動的に歌い上げます。これも貴重な1曲。
 5曲目は「This Place Hotel」(Heartbreak Hotel)、やはりドラマティックな曲。当時はまだド派手な演出はないですが、映像も意識した楽曲で想像力をかきたてられる。
 そして、「She Is Out My Life」です。かつては、マイケルのライブでは欠かせないバラードでした。個人的には、『Off The Wall』収録のシングル盤よりライブバージョンの方が好きです。ボーカルが素晴らしすぎます。
 そして『This Is It』でもあった、定番のジャクソンファイブメドレーです。「I Want You Back」「ABC」「The Love You Save」というデビュー曲から連続No1シングルを立て続けに歌います。そして「I’ll Be There」です。ここでは(当時離れている)ジャーメインのパートは(あえて)省かれています。美しい曲です。
 
 後半も圧巻です。まずマイケルのアドリブ的なボーカルからはじまるNo1シングル「Rock With You」。ハイライト曲の一つでしょう。Jam&Lewis Freakやニューエディション好きならわかると思いますが、NEWEDITIONの名盤『HERATBREAK』での間奏の楽屋トーク的でメンバーが、このマイケルを真似して、大騒ぎで笑い転げているのはうける。
 続いて『トライアンフ』からの「ラブリーワン」。アルバムからの最初のシングル曲でもありました。この曲もマイケルのソロ作品のようです。新らしい曲なので観客ももりあがる。この曲は、その後もマイケルのライブでも欠かせない曲でした。振り付けもこの頃から定番。
 続いて「Working Day And Night」、マイケルのグルーブを感じる1曲。シングルカットされてはいませんが『Off The Wall』の中でも重要曲。
 続いてこれまた『Off The Wall』からのNo1シングル「Don’t Stop Till You Get Enough」。マイケルのファルセットボーカルパフォーマンスも少ないので新鮮です。
 そしてエンディングは、『Triumph』収録の「Shake Your Body」。ジャクソンズとしての威信を取り戻した1曲、そしてマイケルのソロプロジェクトを加速させた曲でもあります。『This Is It』でもこの曲はとりあげられていました。マイケルにとっても重要曲なのがわかります。まだまだこのライブを感じていたいという思いを強く持ったまま幕を迎えます。
 
 前述したように、映像はないのでCDとしては踊っているマイケルは見ることはできませんが、とにかくマイケル・ジャクソンのボーカルが素晴らしい。そしてこのグルーブ!聞きながら躍動するマイケルが浮かんできます。
 当時は、思いませんでしたが、後に強く思ったのが、この時のLive曲(ビクトリーツアーでも踏襲されますが)のピッチが速い。ジャクソン兄弟と観客のみなぎるエナジーが抑えきれない感じなのですが、「ロック・ウィズ・ユー」や「Shake Your Body」はもう少しピッチを落とした方が心地よさもあっていい感じだと思いました。

 そしてこの後行われるジャクソンズとしてのツアーが、”Victoryツアー”です。このトライアンフツアーも実質オフ・ザ・ウォールツアーなわけで、ビクトリーツアーも、前人未到の『スリラー』のヒットを受けた後のツアーで実質スリラーツアーなわけですが、父ジョーと兄弟的にはジャクソンズあってのマイケルというスタンスが拭えません。そしてマイケルとの温度差は埋めることができず、次のビクトリーツアーをもってマイケルはジャクソンズから離れる決意をするのです。
 ビクトリーツアーも公式の映像とLIVE盤はありません。ですので尚更この『ジャクソンズ LIVE』は貴重なアルバムになります。そしてこの感触は『This Is It』まで引き継がれることになります。


ザ・ベスト・ライヴ

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD
マイケル・ジャクソン THIS IS IT(特製ブックレット付き) [Blu-ray]

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