◆ Shake Your Body / The Jacksons (78) マイケルとジャクソン兄弟の未来を切り開いた曲! [楽曲・アルバムレビュー(ジャクソンズ名義)]
自分たちで自分たちの音楽を作りたい。その願いを叶えるべくモータウンレコードからエピックソニーへ移籍したジャクソン兄弟。しかし、エピックも最初から彼らにすべてを委ねるリスクは冒せず、当時のトッププロデューサー、ギャンブル&ハフに制作をまかせます。(2曲のセルフProはできた)
ギャンブル&ハフのフィラデルフィアサウンドはすばらしいですが、ヒットという点では、ジャクソンズとしての最初のシングル「Enjoy Yourself」(僕はゴキゲン)がR&B2位、Hot100-6位(でもミリオン)のヒットはするも、その後のシングルヒットは続かず。
アルバムにいたっては、エピック2枚目の『Goin Places』は50万枚にも達しないセールスとなります。マイケル・ジャクソンも、「ギャンブル&ハフは僕らにとってあまりふさわしくない騎手だったかもしれないし、彼らにとって僕らは相性の悪い馬だったかもしれない」と述べています。たしかに、移籍後の2枚のアルバムの出来はけっして悪くない。
しかし、ジャクソン兄弟の溢れんばかりのエネルギーが、フィリーサウンドの流麗なストリングスで消されている印象はあります。フィリーサウンドは、ちょっと大人向けのPOPサウンドのイメージもある。しかし、レコード会社にとっては大変な問題でした。ドル箱アーティストを獲得したと思ったら、見合った結果をださないのですから。
当時、エピックサイドはジャクソンズとの契約も打ち切る事も考えていたといいます。
それを覆したのが、他ならぬマイケル・ジャクソンです。彼は父のジョーと共にエピックの幹部とあい、自分達でアルバムを作らせてもらうよう要求します。マイケルの熱いメッセージとその自信に、エピックサイドもついにジャクソン兄弟にプロデュースを任せる決断をします。しかし、これはジャクソンズにとってもラスト・チャンスでした。これでヒットという結果を出さなければ、ジャクソンズとしての契約更新はないのですから。
ギャンブル&ハフのフィラデルフィアサウンドはすばらしいですが、ヒットという点では、ジャクソンズとしての最初のシングル「Enjoy Yourself」(僕はゴキゲン)がR&B2位、Hot100-6位(でもミリオン)のヒットはするも、その後のシングルヒットは続かず。
アルバムにいたっては、エピック2枚目の『Goin Places』は50万枚にも達しないセールスとなります。マイケル・ジャクソンも、「ギャンブル&ハフは僕らにとってあまりふさわしくない騎手だったかもしれないし、彼らにとって僕らは相性の悪い馬だったかもしれない」と述べています。たしかに、移籍後の2枚のアルバムの出来はけっして悪くない。
しかし、ジャクソン兄弟の溢れんばかりのエネルギーが、フィリーサウンドの流麗なストリングスで消されている印象はあります。フィリーサウンドは、ちょっと大人向けのPOPサウンドのイメージもある。しかし、レコード会社にとっては大変な問題でした。ドル箱アーティストを獲得したと思ったら、見合った結果をださないのですから。
当時、エピックサイドはジャクソンズとの契約も打ち切る事も考えていたといいます。
それを覆したのが、他ならぬマイケル・ジャクソンです。彼は父のジョーと共にエピックの幹部とあい、自分達でアルバムを作らせてもらうよう要求します。マイケルの熱いメッセージとその自信に、エピックサイドもついにジャクソン兄弟にプロデュースを任せる決断をします。しかし、これはジャクソンズにとってもラスト・チャンスでした。これでヒットという結果を出さなければ、ジャクソンズとしての契約更新はないのですから。
ジャクソン兄弟は、全力でレコーディングに臨みます。
マイケルが述べていますが、この時エピックからあまり制作の時間を与えられませんでした。限られた時間の中で、エピックサイドを納得させるジャクソンズらしい作品を作らなければなりませんでした。が、彼らは念願の自分たちの音楽を表現する場を与えられたのです。プレッシャーはありますが燃えないわけはありません。
マイケル・ジャクソン的には、1977年辺りから超多忙を極めている感じ。77年末に、ダイアナ・ロス主演のミュージカル映画『ウィズ』の撮影に参加。そして、そこでクインシー・ジョーンズとの運命の出会いもはたすわけですが。
1978年に入ってワールドツアーにも出る。その中でレコーディングも進めていくわけです。そして、ついに78年11月にアルバムがリリースされます。タイトルは『Destiny』(運命)。このアルバムの結果で今後が決まるのですからまさに運命のアルバムです。
8曲収録されていますが、1曲はエピックが保険のような感じでシングルとして❶「Blame It On The Boogie」(今夜はブギーナイト)を用意します。アルバム発表前の先行シングルとして、このダンサンブルでキャッチーな1曲はHOT100-54位。R&Bでは3位にチャートインしています。
残りの7曲はジャクソン兄弟作品。アルバムクレジットは、悲願のProduced and Written by The Jacksons(Except “Blame It On The Boogie”)が記されます。
このアルバムは、明らかにギャンブル&ハフの制作した前2作品とはちがいます。ジャクソン兄弟は、ジャクソンファイブとして、モータウンでヒットを連発していました。モータウンはR&B/ソウルミュージックの宝庫です。このアルバムは、モータウンの音を感じます。これまでになかったファンキーさがあります。その代表格が❸「Things I Do For You」。
この曲は、この後のライブパフォーマンスでも欠かせない曲となります。マイケルのボーカルもめちゃファンキー。
そして、Slowの❷「Push Me Away」ミディアムの❻「Bless His Soul」❽「That's What You Get」、前2作でのフィリーサウンドを継承した作りで、ギャンブル&ハフからも大きなものを吸収しているのを感じます。
❺ジャクソンズの曲の中でも異色のアコースティックでブギーなアルバムタイトル曲「ディステニー」。
そして、このアルバムからマイケル・ジャクソンのサウンドも感じれます。録音技術の進歩もあってかマイケルのボーカルもクリアでグルーヴィーで魅了されます。アルバムの成功はマイケルのボーカル力にもあると思う。
時代は、ディスコサウンドに突入しはじめていました。ダンスという要素もKeyになっていました。その時代を読んだ曲を書いたのが、マイケルと末弟ランディーによるこの「Shake Your Body」です。この曲は、モータウンでも、フィリーでもないジャクソン兄弟のオリジナリティーを感じます。この曲に、マイケル伝説の始まりも予感します。
ただ、正直な所、ジャクソン兄弟だけでは作り得なかった曲でした。
このアルバムは、明らかにギャンブル&ハフの制作した前2作品とはちがいます。ジャクソン兄弟は、ジャクソンファイブとして、モータウンでヒットを連発していました。モータウンはR&B/ソウルミュージックの宝庫です。このアルバムは、モータウンの音を感じます。これまでになかったファンキーさがあります。その代表格が❸「Things I Do For You」。
この曲は、この後のライブパフォーマンスでも欠かせない曲となります。マイケルのボーカルもめちゃファンキー。
そして、Slowの❷「Push Me Away」ミディアムの❻「Bless His Soul」❽「That's What You Get」、前2作でのフィリーサウンドを継承した作りで、ギャンブル&ハフからも大きなものを吸収しているのを感じます。
❺ジャクソンズの曲の中でも異色のアコースティックでブギーなアルバムタイトル曲「ディステニー」。
そして、このアルバムからマイケル・ジャクソンのサウンドも感じれます。録音技術の進歩もあってかマイケルのボーカルもクリアでグルーヴィーで魅了されます。アルバムの成功はマイケルのボーカル力にもあると思う。
時代は、ディスコサウンドに突入しはじめていました。ダンスという要素もKeyになっていました。その時代を読んだ曲を書いたのが、マイケルと末弟ランディーによるこの「Shake Your Body」です。この曲は、モータウンでも、フィリーでもないジャクソン兄弟のオリジナリティーを感じます。この曲に、マイケル伝説の始まりも予感します。
ただ、正直な所、ジャクソン兄弟だけでは作り得なかった曲でした。
マイケル自身も、『ムーンウォーカー』の中で、サウンドを作りにあたって、自分たちにはキーボードとアレンジに難点があったと述べています。当時、マイケルたちのスタジオには最新機材が揃っていたといいますが、それを十二分に使えていなかった感じ。
そんな中、出会ったのが当時24歳の新鋭キーボーディストのグレッグ・フィリンゲインズ。
後に、マイケルのソロアルバムやクインシー・ジョーンズのサウンドブレインにもなる彼ですが、その最初の大仕事がこの『Destiny』でのアレンジとキーボードPlay。
ベース音と重低音のうねりが心地いい。マイケルもグレッグのシンプルだけど斬新なリズムアレンジとキーボードPlayにしびれたようで、「これだ!」と感じる。
ランディーも絡んでいるというのが彼の才能の片鱗がみえます。
ちょっと要望をいえば、この曲ってリフ系なのでやや単調な感もある。以前はもう少し曲にドラマ性があれば最高なのにと思っていた事もありましたが、このシンプルさが、この曲の魅力だとも思います。ひたすら踊るという感覚でも、まさにFloor向きな1曲。8分におよびます。この曲の良さはマイケル死後の『This Is It』で取り上げられた際に再認識しました。この曲は、LIVEでも定番になりますが、LIVE CDやビクトリーツアーの時もテンポがかなり速い。『This is It』時のようにオリジナルのピッチでの再演がこの曲の良さを引き出せると思う。
ベース音と重低音のうねりが心地いい。マイケルもグレッグのシンプルだけど斬新なリズムアレンジとキーボードPlayにしびれたようで、「これだ!」と感じる。
ランディーも絡んでいるというのが彼の才能の片鱗がみえます。
ちょっと要望をいえば、この曲ってリフ系なのでやや単調な感もある。以前はもう少し曲にドラマ性があれば最高なのにと思っていた事もありましたが、このシンプルさが、この曲の魅力だとも思います。ひたすら踊るという感覚でも、まさにFloor向きな1曲。8分におよびます。この曲の良さはマイケル死後の『This Is It』で取り上げられた際に再認識しました。この曲は、LIVEでも定番になりますが、LIVE CDやビクトリーツアーの時もテンポがかなり速い。『This is It』時のようにオリジナルのピッチでの再演がこの曲の良さを引き出せると思う。
モータウンから移籍して、はじめてジャクソンズらしい、彼らだけのオリジナリティーを感じる曲が大ヒットします。Hot100で7位。R&Bで3位。何よりダブルミリオンというセールスがすごい。ジャクソンズとして最大のヒットとなります。
チャート的には不思議なのが、250万枚も売れてR&Bで1位になっていない事。HOT-100でもNo1シングルになってもよさそうなのに、エアーPlayが足りなかったのでしょうか。
アルバムもR&Bで3位、POPで11位となり、ミリオンセールスも記録。
エピックも、ジャクソン兄弟がここまでのサウンドを作ったのは驚きだったかもしれません。エピックの幹部の一部には、ジャクソンズは“終わっているグループ"と評するものもいたのですから。でも後に世界を獲るマイケル・ジャクソンがいたのですよ。それを感じていないなんて、そいつアホだなって思うわ(爆)。
マイケルも、この曲がシーンで結果をだしたのは自信になったにちがいない。まさにジャクソンズとマイケル・ジャクソンのターニングポイントなった曲。
ティトも、ミュージシャンとしても、一流のスタジオミュージシャンと肩を並べて全曲でギターを演奏しています。❼「All Night Dancin’」もジャクソン兄弟のエネルギーが溢れている。
さらにこの「Shake Your Body」のヒットがマイケルのソロプロジェクトを早めたかもしれません。このアルバムからは、まだカットできる曲もあったと思うのですが、マイケルのエピックでの最初のシングル、クインシー・ジョーンズと制作した「Don't Stop Till You Get Enough」(今夜はドントストップ)がシングルカットされており、ジャクソンズよりマイケルのソロプロジェクトに重点を置いてるレコード会社の方針が見えるようです。
後、余談ですが、この「シェイク・ユア・ボディ」、おれのFav Producer、ジャム&ルイスも絡みます。それはレゲエアーティスト、シャギーの00年メガヒットアルバム『Hot Shot』の収録曲「Dance & Shout」。
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
- 発売日: 2000/07/19
- メディア: CD
この曲をJam&LewisがProduceしています。シャギーは、単なるレゲエの枠に収まるアーティストではないですが、ジャム&ルイスがシャギーと絡んだのはかなり意外。さらに、ジャクソンズの「Shake Your Body」をサンプリングするなんて!
サンプリングといっても、ほぼ「シェイク・ユア・ボディー」のカバー。
サビのボーカルは、マイケルの少年時代のボーカルのよう。「シェイク・ユア・ボディー」のグルーブ感が楽しめます。
ジャクソンズの「運命」はこの作品で自ら切り開く事になります。そして、マイケル・ジャクソンのソロ・プロジェクトも始まり、翌79年、クインシー・ジョーンズが手がけた『Off The Wall』が発表されます。
オフ・ザ・ウォール デラックス・エディション(初仕様付期間生産限定盤)(DVD付)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2016/03/09
- メディア: CD
ここから2曲の全米1位。アルバムもメガヒット。80年代に入り、ついにマイケル・ジャクソンの時代が始まります。このソロ作の成功で、マイケルとジャクソンズとの距離感も微妙に変化してきます。
「オフ・ザ・ウォール」の世界的なヒットの中、その勢いに乗ってジャクソンズとしても80年に『Triumph』(トライアンフ)という作品が発表されます。
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