ジャクソン兄弟は(本とか読んでると)こんな感じのグループ分けができる感じ。男は、年の近い、ジャッキー、ティト、ジャーメインで、3人で行動する事は多かったみたい。四男 マーロンや五男 マイケルは一緒に遊んでもらえてない感じ。男兄弟ではありがちなやつ。年も近く2人は仲良かったみたい。追悼式でのマーロンのスピーチでもそのことが感じれました。しばらくして六男ランディーもこのグループに加わる。
上3人が、ファンの女の娘と部屋でいちゃついてるのをマーロンとマイケルは隅っこで見ていたとか。
兄弟姉妹の中でも、ちょうど中間くらいの年齢に位置するラトーヤは、わりと引っ込み思案で、繊細だけど、とても美しくプリンセス扱いされてたよう。年齢的にも男兄弟の誰とも仲良く話もしたみたい。一番下のジャネットは兄弟姉妹のアイドル的な存在。マイケルともすごく仲良かった。
リビーは、ジャクソン兄弟姉妹の一番上として、下の子たちの子守りをしていたと言います。マイケルはいたずら好きな茶目っ気のある子供だったと。4歳の頃、祖母を怒らせて「家に帰る」と言って祖母の家を出て行ったマイケル、リビー達が根負けして引き戻しに行ったというエピソードも。小さい頃から、マイケルは頑固というか意志が強かった感じ。
マイケルが突出していますが、ジャクソンのミュージシャンDNAはやはりそれぞれに植えつけられている感じで、各自がソロCDを出しています。さらにブラザーだけでなくシスター全員もヒット曲を持っているというのはギネス記録ではないかと。
そんな中、このリビーのデビューは遅く34歳のときです。一番上として、自分の事より兄弟姉妹の事を優先してきたのだろうなと思います。そんな彼女の1984年のデビュー曲「センティピード」をマイケル・ジャクソンが手がけることになります。
Centipede
- アーティスト: Rebbie Jackson
- 出版社/メーカー: Funkytowngrooves
- 発売日: 2012/10/16
- メディア: CD
*マイケル完全バックアップの「Centipede」収録。
リビーは、3姉妹で一番歌唱力があるのではないかと思います。ナチュラルでアダルトなボーカルです。ジャネットにもいえますが、ライトなボーカルではありますが、表現力もありうまい。
このリビーのデビュー曲となる「センティピード」は、マイケルが曲を書き、プロデュースもし、さらにバックボーカルにも参加する力の入れよう。リビーがハイスクールを卒業するとき、卒業祝いにマイケルがマニキュアをプレゼントしてくれたというエピソードも素敵。マイケルはリビーに感謝の思いを強く持ち続けていて、この曲も贈ったのだと思う。
ちょっと中華風のサウンドと不思議なメロディーのダンスナンバー。けっこう難しいDance Trackだと思うのですが、リビーは見事に歌いきっています。この曲はマイケル作の中でもけっこう異色。R&Bで4位(ゴールドディスクも獲得)のヒットにもなります。「Centipede」=ムカデ という単語もこの曲で知った。
この後、86年に2nd『Reaction』(次男 Titoも3曲Produce参加)。
Reaction
- アーティスト: Jackson, Rebbie
- 出版社/メーカー: Funky Town Grooves
- 発売日: 2012/11/20
- メディア: CD
88年 3rd『R U Tuff Enuff』をリリース。個人的には、レビーのカラーが一番バランス良く出ている大人のR&B的な作品。手がけたのはこの後、大ブレイクするSurfaceの3人 David”Pic”Conley, David Townsend とBernard Jackson 。(前作でも1曲参加してた)繊細ボーカル、バーナードとのDuoもあり、サーフィス好きはマストな作品。
レビーの方ではビックヒットは出ませんでしたが、この後、サーフィスはProducerとしてアーティストとして大ブレイクします。89年にはジャーメイン・ジャクソンに提供した「Don't Take It Personal」が「Let's Get Serious」以来のR&B-1位シングルとなります。彼ら自身も91年「The First Time」がHot-100で1位になります。当時のR&BはNJSのようなグルーブ系の曲が流行っていましたので、80年代からのブラックコンテンポラリー的なこの曲が1位になるのはすごいです。当時、サーフィスが ”クワイエット・ストーム"(都会的なメロウなR&B)のブームを生み出したと言ってもいいと思う。その感触がリビーのおちついたボーカルにもあう。
90年代に入りリビーは、しばらくエンタメ活動から離れていたようですが、98年にカムバック作的な4th『Yours Faithfully』を発表。
このアルバムは、マイケルファン的にもおさえておかないといけないもの。というのもこのアルバムは、マイケルが1994年にSONYとともに設立したマイケルのレーベル、MJJミュージックからリリースされます。90年代に入り、自身のアーティスト活動だけでなく、幅広いビジネス活動も展開していくマイケル。この自身のレーベル運営もマイケルのアーティスト、ビジネス活動の一環として行われ、女性グループBrownstoneや甥の3人組イケメングループ3Tも招いている。そしてリビーのアルバムもリリースされるのです。
身内のアーティストなのでどうなの?って思う人もいるかもしれませんが、マイケルはビジネスやアーティスト活動になると、ある意味シビアです。身内はいえ、才能がないと判断すればレーベルに招かないしリリースもしないと思う。そういう意味で、姉のリビーの才能をマイケル自身も高く評価し、バックアップしているのを感じます。
注目曲は「Fly Away」。『BAD』からもれたマイケル作の曲です。マイケル自身も歌っているバージョンがありますが、リビーのために、これまたプロデュース&バックボーカルで参加。
*元のマイケルが歌う「Fly Away」はこちらで聞けます
「Fly Away」はストレートなスロウなナンバー。けっこうマイケル色もうすいように思いますが、マイケルのSlowなバックボーカルが魅力的。終盤のレビーとマイケルとの掛け合いにも魅了される。
そしてデビュー曲の「Centipede」も再録音され、収録されています。もちろんマイケルProduceです。さらに『Dangerous』期にマイケルと大きく関わったブライアン・ローレンのProduce曲も2曲。もしかしたらマイケル提供曲だったとかないよね。ボーカルの質感は近いのでリビーが歌ってもFitする。そういう意味でもこの『Yours Faithfully』は注目すべきアルバムなのです。
リビーは、母についで、みんなから絶大な信頼をおかれている女性のようです。マイケルの遺言により、マイケルの子供たちの養育は母キャサリンに委ねられましたが、高齢のキャサリンに代わって実際に関わるのはこのリビーのような感じだし、誰もそれに異議もとなえない。
あとゴシップネタですが、リビーには娘が2人いますが、その1人は、ジャネットの最初の結婚(ジェイムズ・デバージとの)の時にできた子供だということがずっと言われているみたいです。(その真実はジャネットのドキュメンタリー番組で明らかにされていましたね)娘たちも美しい。息子も音楽活動をしているみたい。
リビー・ジャクソン、姉妹の中で一番好きな大人の女性です。