ORiGINAL 2014.6.11 UPに若干追記    


 マイケル・ジャクソンの逝去後の2枚目のアルバムが2014年5月13日に発売されました。NEWアルバムという言い方もされていますが、ニューアルバムという表現は適切ではないと思います。
 前回の記事でも書きましたが、発表された8曲中、6曲のほとんどは既にリークされていて、私も1年以上前から聞いている曲でした。1stシングルにもなった「Love Never Felt So Good」と「Slave To The Rhythm」はふつうにヘビロテでした。
 「シカゴ」と「She Was Lovin Me」は初めて聴いた曲で、いいですね。




Sing to Me: My Story of Making Music, Finding Magic, and Searching for Who's Next (English Edition)



  • 作者: Reid, LA

  • 出版社/メーカー: Harper

  • 発売日: 2016/02/02

  • メディア: Kindle版





 今回、アルバムの指揮をとったのがEPIC・SONYのCEOに就任したLAリード。元々ミュージシャン(ドラマー)でLA&BABYFACEのチームで80年代後半から90年代前半、ヒットを連発(ボビー・ブラウンやホイットニー等)したプロデューサー。BABYFACEとコンビを解消してからは経営の方にまわりこれまた数多くの成功を収めていく。かなりやり手の人。
 ライナーノーツに書いてありましたが、EPICのトップに就任して、彼がすぐに着手したのがこのマイケル・ジャクソンのプロジェクトだったそうです。そしてLAリードのハートをつかんだ曲が前述の「Love Never Felt So Good」でした。これまでのMJの曲でもありそうでなかったストレートでピュアなラブ・ソング。そして、MJの肉体はこの世にない今、今回ダンスという視覚にうったえるものがない事で、より鮮明となるマイケルのボーカルの素晴らしさです。

 この曲、「オフ・ザ・ウォール」期かと思ったら「スリラー」セッションだと。しかし、マイケル・ジャクソンの楽曲大辞典のような『MICHAEL JACKSON FOR THE RECORD』では1980年のレコーディングとなってる。「This Is It」と同じ時期だと思うので、1980年説が正しいと思うオレ。そしてマイケルのボーカルは躍動感に満ち溢れています。




MICHAEL



  • アーティスト: マイケル・ジャクソン

  • 出版社/メーカー: ソニーミュージックジャパンインターナショナル

  • 発売日: 2010/12/15

  • メディア: CD





 今回のアルバムは、前作のマイケル死去後に発売された『MICHAEL』ほど曲の完成度にばらつきは感じませんが、やはりこれまでマイケルが制作したアルバムほどの完璧な調和感はない。リード
はティンバランドを軸のプロデューサーに据えていますが、それでもやはりトータル感はうすい。

 その要因の一つに、やはりボーカルの録音時期にバラつきがあるからだと思います。リードのいうコンテンポライズ化でサウンドは今風(そこまで今風とも思えないけど)にしても、精通している人が聞けばわかるマイケルのボーカルの質は統一感を薄れさせる。