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◆ What More Can I Give マイケル・ジャクソン&フレンズ 世紀末を迎える際にマイケルが作ったWATW級のチャリティーソング [楽曲レビュー(コラボレーション)]

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 マイケル・ジャクソンは、チャリティー活動にも熱心でした。以前にもとりあげましたがアフリカの飢餓を救うためにUSAのアーティストが立ち上がった1985年の「We Are The World」。この素晴らしい曲は多くの人々の心を動かしました。
 クインシー・ジョーンズが指揮をとり、当時のUSAのスターがエゴを捨て勢ぞろいします。そしてこの曲のライターがマイケルとライオネル・リッチーでした。後にマイケルの『Ultimate Collection』でマイケル・ジャクソンのソロバージョンが発表されました。(日本盤の『King Of Pop』にも収録)。
素晴らしい曲です。その後も、Positiveなメッセージソングがマイケルのアルバムに必ず収録されるようにもなります。

 91年作の『Dangerous』では「Heal the World」という曲もシングル化され、ヒール・ザ・ワールド基金を設立した。これは世界中の不幸な子供たちや環境問題の為の活動基金で、マイケルは生涯を通じてこの活動を続ける事を宣言します。そのような活動が評価されノーベル平和賞の候補にもなったりしました。(そのような賞をとることにマイケルは興味はなかったと思いますが)
 
 この日本においても、1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災に際して発足した、ジャニーズの関西出身の所属アーティスト(TOKIO、Kinki Kids、V6)で結成されたJ-Friendsに自ら作詞・作曲した曲を提供します。その
チャリティーソングの最初が98年1月発売の「Children’s Holiday」、そして2作品目が99年の「People Of The World」です。自身のアルバムに収めてもいいような素晴らしい楽曲でした。(実際、未発表のマイケルバージョンもあり)

People Of The World

People Of The World

  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • 発売日: 1999/01/13
  • メディア: CD

 そして、2001年の9.11テロの際にもいち早く立ち上がったのがマイケルでした。その時に発表されたのがこの「What More Can I Give」でした。


 この曲は、1998年にはマイケルよって書かれていたようです。20世紀末、いろいろな問題がこの世界を覆っていました。特にマイケルは、90年代から地球の環境問題に対して高い意識を持っていました。そして、次の世紀を迎える前に、ただ傍観しているのではなく、何かしなくてはという強い使命感がマイケルの中で芽生えたと言います。
僕に何ができるだろう? 今、他に僕ができることは何だろう?」その言葉がマイケルの頭の中を駆け巡り続けたと言います。そしてそのタイミングで、1999年9月に南アフリカでネルソン・マンデラ氏と対談する機会を得、さらにインスパイアーされこの「What More Can I Give」が出来上がったと言います。当初はマイケル単独のボーカルだったのではないでしょうか。 
 
 音楽的にはこの頃のマイケル・ジャクソンは落ち目だったと言う人がいますが、まったくわかってない素人の言葉。この曲も含め、その後、何年もかけて制作され、2001年に発表の『Invincible』は、めちゃくちゃ完成度の高いアルバムです。

Invincible

Invincible

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 2001/10/31
  • メディア: CD






 当時R&Bで最高に勢いに乗っていたロドニー・ジャーキンスをメインProducerにし、Teddy Riley、R.kerry、Babyface、Dr.Freeze、サンタナらが参加した1枚。アルバム制作は98年頃から始まり、数多くのハイクオリティーの楽曲が出来上がります。ロドニー自身も最高の状態にある自分がマイケル・ジャクソンによってさらに上のものを引き出すことが出来たと自負しているのがわかる。
 2枚組にもできる作品群でしたが、選び抜かれた楽曲が1枚のアルバムに収められます。マイケルが選んだProducerとともにマイケルの世界観も見事に表現された素晴らしいアルバムです。
 
 この「What More Can I Give」ももともとは『インヴィンシブル』の収録も考えられていた楽曲ではなかったのかと思うのですが、アルバムには収録されず、このすばらしい曲が眠ったままの状態でしたが、2001年の9.11という危機に直面し、日の目を見ることになります。ただ、アルバム『Invincible』の発表とも重なるため、当時のSONYの社長、トミー・モトーラはシングルとしての発売を許可しませんでした。
 「We Are The World」にひけをとらない美しく力強い曲だと思います。ちょっとおさえめなメロディーがなんか神々しい。

 マイケルの呼びかけに賛同したアーティストも素晴らしい。私の好みと大物度であげていくと、セリーヌ・ディオン、ビヨンセ、マライア・キャリー、ジャスティン・ティンバーレイク&インシンク、アッシャー、今はなきルーサー・ヴァンドロスもいる。
 曲自体も、少しラテン調の空気感もある。そのためかラテンバージョンもあって、フリオ・イグレシアス、リッキー・マーティン、グロリア・エステファン、そしてサンタナのギターPlayも入る。ロック系からは
トム・ペティーの参加が異色だけど、リードの箇所はよくわからない。
 
 この曲が公式にCDリリースされなかったのは本当に残念でなりません。最終的に、チャリティーソングとして、2003年に期間限定で有料ダウンロードという形となります。日本のマイケルファンはどれだけの人がDLしたのだろう??私は、その辺のやり方もよくわからず、リアルタイムには購入できませんでした。後に出回ったものを購入しました。音質もいいです。ネットでもアーティストが歌う
Music Videoも見れます。

 9.11という歴史的な事件が起き、チャリティーソングとして、DLという形ではありますがリリースされました。しかし、それまでにもこの曲が正規に発表されていたら、これまた歴史的なヒットになった曲だと思います。リリースされなかったのは、いろいろと複合的な要素があるみたいです。
 ひとつはソニーレーベルとの確執、というより前述したソニーのモトーラ社長(マライアの元夫)のスタンスが謎というか変。このような名曲を積極的にリリースしない理由がわからない。90年代はマイケルもモトーラの手腕を最高級に評価しプロモーションにも感謝していた。しかし、アルバム『Invincible』の発表時のプロモーションで、温厚なマイケルもこのトミー・モトーラには憤慨していた。(人種差別発言まで出ていました)
 あと、この曲の資金援助者が、ちょっと問題のある経歴だったという話もありました。
 そして当時、またマイケルの身辺が例の事件で慌しくなり音楽活動どころではなくなったというタイミングの悪さもありました。
 逆に、マイケル・ジャクソンによって動いていたこのビックプロジェクトをつぶし、この神曲を世に出さないように、何か大きな力によって意図的におこした一連の動きようにも思えてなりません。
 
 最後にソロをとった主なアーティストとリリックを紹介したいと思います。
 
セリーヌ・ディオン:説明不要の女性POP VOCALのディーヴァ。素晴らしいVocalです。終盤、マイケルとの絡みもあり圧倒的な歌唱力で盛り上げます。

ビリー・ギルマン:11歳でデビュー。カントリー系。1stアルバムがミリオンセールスを記録し、USA音樂史上最年少のプラチナ・アーティストに。

リーバ・マッキンタイア:数多くのヒット曲をもつカントリー界の女王。女優業もこなす。
 
ニック・カーター:バックストリートボーイズの中心メンバー。その後ソロ活動へ。

アッシャー:マイケル亡き後のR&B界のスーパースター。No1アルバム、シングルを連発。

ブライアン・マックナイト:グラミーにもノミネートされる実力派ソウルアーティスト。

マライア・キャリー:90年代ほぼ出した
シングルがNo1。紆余曲折もあるも最強ディーヴァ。ここでも驚異の7オクターブの音域を見せます。

リッキー・マーティン:プエルトリコ出身。ラテン系の男前人気アーティストでした。

ビヨンセ:当時は、まだディスチャのビヨンセって感じだったけど、その後のソロでの活躍は周知の通り。マイケルの先見の明はここでもあり。

インシンク:ジャスティン・ティンバーレイク率いるスーパーアイドルグループ。

ルーサー・ヴァンドロス:70年代から活躍するR&Bのレジェンド。2005年に亡くなる。この曲でルーサーのシルキーVoiceが聞けるのも大きい。

アーロン・カーター:前述のニック・カーターの弟。一応アイドル系だけど、この中では小物感は歪めない。

マイア:R&Bアイドル女性シンガー。2001年『ムーランルージュ』の主題歌No1コラボシングル「レディー・マーマレイド」の一員。Jam&Lewisも彼女の才能に惚れ込みProduce歴あり。

グロリア・エステファン:キューバ出身。80"Sのラテンブーム時、めちゃヒットした。この女性もラテン系ではレジェンド級。

ボーイズⅡメン&ショーン・ストックマン:90年代のR&B Vocal グループを復権させた。Babyface、Jam&Lewisによるメガヒット曲も多数。

サンタナ:メキシコ出身のスーパーギタリスト&アーティスト
。グラミーにおいて、99年の『スーパーナチュラル』ではマイケルト並ぶ8冠を受賞。今回、Vocalはとらないが流麗なギターPlayが曲に華を添える。

 ボーカル歌手はネットを参照しましたが、それ自体も間違ってる箇所がいくつかあって自分なりに修正しましたが、バックボーカルとかちょっとわからない人が数箇所あります。では。


《リリック》

セリーヌ・ディオン: How many people will have to die before we will take a stand?
ビリー・ギルマン: How many children will have to cry, before we do all we can?
リーバ・マッキンタイア: If sending your love is all you can give
ニック・カーター: To help one live
アッシャー: How many times can we turn our heads
ブライアン・マックナイト: And pretend we cannot see
マライア・キャリー: Healing the wounds of our broken earth
We are one global family
リッキー・マーティン: Just sending your prayers
ビヨンセ: Is something you'll feel
  Helping one heal [Chorus:]

MJ: What have I got that I can give?
インシンク: What have I got that I can give? 
ルーサー・ヴァンドロス: (Tell me)
MJ: What have I got that I can give?
ジャスティン・ティンバーレイク: (Yeah, yeah, uh, uh)
インシンク: To love and to teach you
To hold and to need you
What more can I give?

アーロン・カーター: Brother to brother
マイア: lay down our fears and reach out and make a pact
グロリア・エステファン: Show him the love that is in our hearts let us bring salvation back
ルーサー・ヴァンドロス: Just sending your love has the power to heal
ショーン・ストックマン: So let's all give [Chorus:]


All: What have I got that I can give?
ルーサー・ヴァンドロス: (Is not allowed to give just a little bit)
All: What have I got that I can give?
ルーサー・ヴァンドロス: (Everyone should be a part of it)
All: To love and to teach you To hold and to need you
What more can I give?

MJ: Say the words I'll lay me down for you
セリーヌ・ディオン: Just call my name I am your friend
MJ: See, then why do they keep teaching us
Such hate and cruelty? We should give over and over again

All:
 What have I got that I can give?
MJ: (We should give over and over again!)
All: What have I got that I can give?
MJ: (Oh my god, oh my god) 
Boyz II Men: (Oh my Lord)
All: See, to love and to teach you
To hold and to need you What more can I give?
All: What have I got that I can give?
マライア・キャリー: Aahh...
All: What have I got that I can give?
MJ: (give you, give to you)
All: See, to love and to teach you To hold and to need you
What more can I give?
All: What have I got that I can give?
セリーヌ・ディオン:] (What More Can I give?)
All: What have I got that I can give?
MJ: (I wanna give to you, give it to you)
All: See, to love and to teach you
To hold and to need you What more can I give
MJ: (they think I'm crazy but I'm not!)  [2nd Chorus:]


All: What have I got that I can give?
MJ: (To give it to you)
マライア・キャリー: Aahh..
MJ: (we wanna give to you!)
All: What have I got that I can give?
To hold and conceal you
(Oh, no, yeah, yeah, yeah)

All: To love and to heal you
What more can I give?
(Give me, give me one time more)
What have I got that I can give?


グロリア: (What I got, what have I got) 
(Say your prayers)
What have I got that I can give?
ルーサー:(Show the world how much you really care)
To love and to teach you

アナスタシア: (To love you, teach you)
To hold and to need you
アナスタシア: (To hold you, to need you)
(What more?)
What more can I give?

All: What have I got that I can give?
3LW: (What can I give? Tell me what can I give you)
All: What have I got that I can give?
To hold and conceal you To love and to heal you
What more can I give?

 
素晴らしいメッセージとメロディーです。マイケルはまだこんな素晴らしい曲を書けるのかと思わせた。そしてこれだけのスター歌手が、ジャンルをこえて集結した。参加したアーティストたちも大体的にリリースされなかったのは残念だったに違いない。
 しかし、だからこそこの曲もマイケル伝説の一つとなっていくかもしれない。 


コメント(2) 
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コメント 2

トミーマーチ

こんばんは~!
この曲は本当にもったいないですよね!
マイケルの出番は「We Are The World」の時のようにブリッジからですが、ここだけでマイケル持ってく持ってく!
(当時の)フレッシュなメンツですが、「We Are The World」に引けを取らない豪華なメンバーの、特徴的なボイスのみ認識しておりましたが、流れを教えていただき、この曲の魅力を再発見いたしました♪
最後の方、てっきりシンディ・ローパーと思い込んでいた歌声は3LWという女性グループだったのですね…笑
by トミーマーチ (2021-10-12 22:59) 

amber35

ファンには馴染みのある曲ですが、世の中にはまだまだ浸透していないマイケル・ジャクソンの神曲の一つだと思います。

公式にCDなどでリリースされていないですし、現在、DL等でも入手できないのが拡がりを見せない要因だとも思います。

いつか正式に日の目を見る事を願っています。
by amber35 (2021-10-19 20:09) 

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